社員にはどんどん仕事を任せていきましょうという言葉をいろいろなところで聞くことがあります。
ただ、社員を大切に思えばこそ、任せないほうが良い仕事、任せっぱなしにはできない仕事があると考えています。
社員に仕事を任せるということ
社員には
どんどん権限を与えて、がんがん仕事をしてもらって、ぐんぐん成長してほしい
というのは、経営者や上司であれば多くの方が考えることでしょう。
実際に、自分の年齢やポジション、スキルよりも高いレベルの仕事を任されることで、大きく成長することができる可能性は高くなります。
そのため、優秀な社員や将来の幹部候補生となるような社員に対して、大きな権限を与えているケースも多いのではないかと思います。
ただし、仕事を任せたとしても「任せっぱなし」にすることは避ける必要があります。
不正が起こるのは任せっぱなしの結果!?
会社における社員の不正に関するニュースというのは、かなり頻繁に見かけますし、実際に身近なところで見聞きすることもあります。
・会社のお金の横領
・外部(取引先)との癒着
・機密データの持ち出し
・データ改ざん
・各種ハラスメント
などなど。
これらの不正が組織ぐるみで行われている場合は論外として、そうでない場合には「任せっぱなし」になってしまっていることが1つの要因ではないかと考えています。
・お金の管理は担当者しかしていない(ダブルチェック、トリプルチェックができていない)
・外部(取引先)との対応窓口が一部の担当者だけに限られている
・機密データの管理がずさん、コントロールされていない
・データ改ざんに気づいたり、防止する仕組みができていない
・複数の目がないと、組織内でハラスメントがあっても周囲には分かりにくい
といった感じでしょうか。
どれも一言で言ってしまえば、「管理できていない」「任せっぱなしになってしまっている」ということになるでしょう。
「任せること」と「任せっぱなしにすること」の違い
「任せること」と「任せっぱなしにすること」とは、当然ながら違います。
「任せる」ことは文字通り、相手に何らかの業務を任せるわけですが、なんでも好き勝手にやることを認めるわけではありません。
一定の範囲内での権限を与え、自由に判断できるようにしつつ、報告を受けたり、意見を出したりして、あくまでも関わり続けていくことが前提です。
一方、「任せっぱなし」となるとどうでしょう。
・相手に任せている。
・報告を受けていないから、いま何が起こっているか把握できていない。
・関わり続けているとは言えない状況。
分かりやすいところでは、こんな感じでしょうか。
「任せっぱなし」というのは「任せる」という表現にはなっていますが、実際には放置しているのと同じです。
社員が大切なら任せっぱなしを避けるべき仕事
社員に任せっぱなしにしていても、大きな問題にならないものもあるでしょう。
(金額面、内容面から考えて、あまり重要でないと思われるものなど)
ただ、社員を大切に思えばこそ、次のような業務に関しては、「任せっぱなし」を避けるべきだと考えています。
*直接的にお金が絡むもの=>現金預金の管理など
*外部(仕入先、得意先、外注先など)との窓口=>購買部門、発注担当、営業担当など
*機密データの管理
など。
機密データに関しても、行き着くところは「お金」となります。
そう考えれば、やはり「お金」が絡む業務については「任せっぱなし」にしてはいけないということになります。
このことは、いくらその社員の方を信頼していても譲るべきではないと思います。
むしろ、信頼し大切に考えているからこそ、「任せっぱなし」による「誤り(不正など)」が起こりにくい体制を整えていく必要があるのではないでしょうか。
単純に経営者によるダブルチェック体制にするだけでも、ずいぶん違うのではないかと思いますし、それだと限界があるのであれば自社に最適な仕組みを考えれば良いのではないかと。
取り返しがつかないところまで行ってしまってからでは手遅れですので、気になるところがあれば早めにチェックしてみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
この頃暖かくなってきたので、ベランダで飼っているメダカたちがようやくエサを食べ始める時期になってきました。
あれだけ小さな体なのに、ひと冬の間、ほとんど何も食べずに過ごせるのはなぜなのか。
昔習ったことがあるのかもしれませんが、少し調べてみようかと思っています。
【昨日の1日1新】
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