完全試合を逃した理由は「忖度」?言葉にすることの大切さ。

政治の世界では、最近になってまたまた「忖度」がニュースになっています。
プロ野球の世界でも、大記録を逃した理由は「忖度」だったことが分かりました!?

記憶に残っていた不可解な采配〜2007年のプロ野球日本シリーズ〜

2007年に行われたプロ野球の日本シリーズ。
プロ野球が好きな方なら記憶に残っているという方も多いかもしれません。

中日と日本ハムが対戦し、中日の3勝1敗で迎えた第5戦。

中日の先発は山井投手で、大変素晴らしいピッチングを続けていました。

8回まで1人のランナーも出さないという内容で、日本シリーズでの完全試合も夢では無いと思われました。

ところが9回、中日は山井投手から岩瀬投手に交代させたのです。

完全試合がかかっていたのに、です。

結果として岩瀬投手が9回を抑えて中日が勝利、見事日本一になりました。

私自身、中日と日本ハムが日本シリーズで戦っていてもあまり興味はありませんし、どちらが勝とうがなんとも感じません。

ただこの試合ばかりは、さすがに中日の落合監督の采配に「なんでこんなことをするんだろう?」と感じずにはいられませんでした。

個人記録よりもチームの勝利が優先されるのは当然としても、まるでわざと記録を作らせないようにしているのではないか、と感じたほどで。

まあ、だからこそ記憶に残っているわけですが。

外部からは分からなかった本当の理由

当時、ニュース、新聞などでもかなり話題になりました。

その多くは、交代させたことが非情であるという批判的なものだったように記憶しています。

その後、実は山井投手は指にできたマメを4回くらいに潰してしまっていたという情報が出回りました。

だから交代がやむを得なかったという見方もありました。

ただ、それにしてもそのあと8回まで投げ続けさせたわけですから、9回に交代させたことにはあまり繋がらない気がします。

そんな語り草となっていることについて、先日、テレビ番組で関係者へのインタビューが企画されていました。

そこで、次のようなことが分かりました。

・投手コーチは、マメの状態が良くないことを感じ、このまま投げさせるのはあまり良くないと考えて8回終了時に「どうするか?」と声をかけた(ただし本人が大丈夫といえばそのまま投げさせるつもり)。

・山井投手は、投手コーチから「どうするか?」と声をかけられたのは、コーチが「9回には投手を代えたい」という考えを持っているからであると考えて(忖度して)、「代わります」と答えた。

・それを聞いて投手コーチは、本人が代わりたいと思っていると判断した。

・落合監督は、投手コーチから「山井投手が代わりたいと言っている」と聞き、交代させざるを得なかった。

つまり誰かが積極的に投手を交代させたいと考えていたわけではなく、ちょっとした行き違い、思い込み、今流行りの「忖度」によって完全試合がなくなってしまったのです。

忖度はダメ。はっきりと言葉で確認する習慣を!

改めて考えると、やはり「忖度」が元凶だったと言えるのではないかと思います。

山井投手の気持ちが「本当は投げたかった」ということだったようなので、

・もしも山井投手が監督、コーチの言うことを聞かなければ・・・
・もしもお互いがもう少し多く会話してきちんと意思を伝えていれば・・・

完全試合が達成されていたかもしれません。

これはスポーツ、野球の世界だけでなく、ビジネスの世界でも当てはまることだと思います。

ついつい、「言わなくても分かる」とか「それくらいは細かく言わなくても理解してもらえる」と考えてしまいがちです。

実際、「それくらい言わなくても分かってほしい」という思いが正しいケースも多いでしょう。

しかし、世代が違ったり、育った環境も違っていれば、「言わなければ通じない」という感覚でいたほうが間違いありません。

相手が正しく理解してくれているか、しつこいくらいに確認してちょうど良いくらいなのでしょう。

切羽詰まった状態であればなおさら、かもしれませんね。


【編集後記】

ここ最近、ゴルフで悩んでいたことの原因がどうやらはっきりと分かりました。
どれくらい時間がかかるか分かりませんが、スイングの根本的な部分ですので、この期にしっかりと立て直すことにしました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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