脱税や税金の不正還付を「バレないだろう」という軽い気持ちでやってしまっている人がいるかもしれません。
ですが、いつかバレますし罪も重いのでやめたほうよいですね。
消費税の不正還付で実刑
先日、消費税の不正還付を受けていた女性経営者に実刑判決が言い渡されたというニュース記事が出ていました。
内容はざっくりと次のようなものでした。
・東京都内の化粧品販売会社
・化粧品を仕入れたように装っていた
・2016年までに消費税など、約3億円の不正還付を受けた
・42歳の女性社長は無罪を主張
で、判決では「虚偽の申告で国庫を実質的に侵害する犯行」として
・懲役4年6ヶ月
・罰金6,000万円
の判決が言い渡されたとのことでした。
東京国税局で不正還付を受けた金額として、3億円は過去最高額なのだとか。
3億円を不正に受け取って、4年以上の実刑。
どのような印象でしょうか。
私自身の印象としては、「妥当かな」、ただ「結構ガッツリと実刑なんだな」という感じです。
もちろんやってはいけないことですし、しっかりと罪に問われなければならないでしょう。
ただ、もしかすると、
まあ、お金を返せば(払えば)いいんでしょ!
くらいにしか思っていなかった人からすると、少しびっくりかもしれませんね。
普通に実刑になることも
改めて「脱税」「実刑」で調べてみると、だいたい次のような基準があるようです。
・刑事事件として告発されるのが1億円以上の脱税
・実刑になるのが3億円以上の脱税
悪質かどうかなど、内容次第の部分はあるとはいえ、やはり多額の脱税=不正は厳しく罰せられることになるということですね。
ちなみに、税務調査などで指摘される
・処理誤り
・申告漏れ
・見解の相違
というのと、いわゆる「脱税」というのは別物です。
「故意」に税金を逃れるために所得を隠したり、経費を水増ししたりするのが「脱税」です。
Wikipediaで「脱税」の定義を見てみると、次のように書かれていました。
脱税(だつぜい)とは、納税義務があると見なされている人が、その義務の履行を怠り、納税額の一部あるいは全部をのがれることである。
日本では、脱税は「偽りその他不正な行為」により納税を免れる行為のことである。
処理を間違えてしまったとか、正しいと思っていた処理を税務署が認めなかった(見解の相違)というものとは別物ということになります。
たまに見かける
大会社が外国子会社との取引の一部について、法人税〇〇億円を追徴された。
なんていうニュースの場合、「脱税」ではなく「見解の相違」であるとされています。
したがって、このような性質のものであれば、いくら金額が大きくても「脱税」ではないので、代表者が「実刑」になるようなことはあまりありませんね。
なかなかなくならない脱税や不正
脱税や税金の不正還付というニュースは、忘れたころに、ちょこちょこと見かけるような気がしています。
脱税や不正をやる人がどんな心理なのか分かりませんが、
・バレないだろう
・何か言われても説得できるだろう
・バレたらお金を払えばいい
というような感覚かもしれません。
もしかすると「罰則を軽く考えすぎている」なんていうこともあるかもしれません。
まあちょっと罰金を払えばいいだろう、という程度の認識だったりとか。
ですが、「わざと」「故意に」「隠す」ようなことは、かなり悪質と見なされることになりますので、軽く考えずにしっかりと対応しておくことが必要になりますね。
脱税、しかも多額となると実刑もあり得るわけですから、なおさらですね。
もちろん、「罪が重いからダメ」ということではなく、ダメなものはダメ、ということではあるのですが。。
税理士は何をしている?
このようなケースで税理士がどのような関わりをしているのか、分かりませんが
・まったく気づかなかった(会社側がうまく隠し通した)
・うすうす気づいていたけど突っ込んで確認しなかった
・分かっていた
など、いろいろかもしれません。
加担はしないまでも、「うすうす気づいていた」のであれば、それをそのままスルーしてしまうのはやはり問題ですね。
もしも、指摘したら顧問契約がなくなってしまうかも!?なんて思いがよぎったとしても、うやむやにせずしっかりと指摘できる関係性が必要なのだと感じています。
それで切られたらそこまでの関係なのでしょうし、お互いにとってハッピーな関係ではないですし。
普段からきちんと指摘できる、会話できる関係性、信頼関係を築いておくことが必要になることは間違いありませんね。
【編集後記】
昨日は、外出先(顧問先の事務所内)で仕事をしていたところ、徐々に鼻がかゆくなってきてしまい、結局、夜寝るまで花粉症のひどい症状が続いてしまいました(正確にはなかなか寝られず)。
室内は大丈夫と思って油断していましたが、やはりマスクをしたほうが良いのかもしれませんね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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