税務+会計+ときどきゴルフ

税金は調整するもの?気持ちは分かりますが・・・

税金を調整する。
たまにこんな表現を耳にすることがありますが、職業柄、「んっ??」と感じることもあったりします。

税金は調整するもの?

最後に税金を調整して財務諸表を完成させる。
先日もこのような表現を聞きました。

事業年度が終わると
・すべての会計データを入力して
・税金を計算して
・財務諸表を作成させて
ようやく決算が完了ということになります。
(実際には、そのあとに税金の申告書を作成、決算書を株主総会で承認、などの手続きが待っているわけですが)

その意味では、この「最後に税金を調整して財務諸表を完成させる」という表現もさらっと流してしまいそうですが、ちょっと気になる表現が含まれています。

「税金を調整して」というところです。

基本的に税金(法人税、所得税)の場合は、税金が課される所得を計算して税率を掛けて計算します。

収益-費用=所得
所得*税率=税金

ですので、税金は「調整するもの」ではなく、「計算するもの」という感覚が正しい気がします。

「調整する」というニュアンスには、
・収益を減らす
・費用を増やす
など、あまり好ましくない雰囲気が漂っているのかなと。

もちろん、考えすぎなだけかもしれませんが!?

「調整する」が「事前に準備をしておくこと」ならOK

この「調整する」というのが、
*決算前に(事前に)準備をしておくこと
という意味であれば、それは状況次第ではアリだと思います。

・利益がたくさん出たから従業員に決算賞与を払おう。
とか
・税金の優遇が受けられる資産を購入しておこう。
などなど。

多くの場合、税額に影響を与える(税金を減らす)効果を得るためには、決算前に何かしらの手を打っておくことが必要です。

その意味で、「調整」が「事前に税金を減らすために手を打っておくこと」であれば、それは会社としての判断なので会社と経営者がOKなのであれば問題ないでしょう。

それ以外だと、詳細は割愛するとして、
*当期分の費用として計上することができる「未払費用」の計上
などであれば、「調整」と言えなくもないかな、といった感じでしょうか。
(社会保険料や水道光熱費など、でその決算月の分を計上する、など)

事前に準備しておくこと

決算作業のなかで、「税金を調整」したくならないようにするためには、しっかりと期中に準備をしておく必要があります。

・税額をシミュレーションして、税金支払いの資金繰りに不安があれば、必要と見込まれるキャッシュを用意しておく。
・どうしても税金を払いたくないのであれば、合法的に節税できる方法を事前にしっかりと検討しておく。
・情報を集めた結果、「これってうちの会社に使えるかも?」と思うものがあれば顧問税理士に相談してみる。
・顧問税理士がイマイチかも?と思ったら、セカンドオピニオンを求めて他の税理士などに相談してみる。

ある程度、前広に対策を考えたりしていれば、決算時にバタバタとすることはないでしょうし、決算月まで1ヶ月くらいあれば、検討できることもいろいろとあると思います。

決算時にヒヤッとしたり、イライラしたりせず、想定通りの税金をしっかりと「計算」して納付するためにも、できる限り事前の準備をしっかりとしておくことが大切になりますね。



【編集後記】

先週末からとある所にきています。
いまの仕事のスタイルで、いつでもどこでも仕事ができるのか?を実験することが目的、かつ少しだけ(?)旅行もかねています。
今のところ、PC、ネットに繋がる環境なので問題なく仕事ができています。
ただ便利な反面、スパッとONとOFFを分けることが難しくもあり、なかなか悩ましいところではあります。。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

初めて訪れる場所いろいろ