税務調査と聞くと「うわっ!」とか「面倒くさっ!」と感じる経営者の方が多いと思います。
それだけに「税務調査」への対応を売りにしている税理士も多いわけです。
今回は、税務調査への「対策」について、自分なりの考え方を整理してみます。
税務調査に関する2つの対策
税務調査の対策は大きく2つに分かれると考えています。
1つめが税務調査自体への対応、対策です。
実際に税務署の調査官が会社等に来て調査(いわゆる税務調査)をする際に、
・調査官に対してどのように応対するか
・どのような書類を準備するか
・どのように交渉するか
といったことに主眼をおくものです。
そして2つめが税務調査で問題点を指摘されないようにするための対策です。
税務調査を受けたときに、指摘されるような問題点を事前に潰しておくという意味で、予防的な対策になります。
税務調査への1番の対策は予防
税務調査に関してもっとも大切な対策は、税務調査で問題点を指摘されないようにするための対策、予防的な対策だと考えています。
例えが良いかどうか別として、ある意味では病気と同じではないかと。
早いうちに問題点が見つかればしっかりと対応することができます。
逆にタイミングを逃してしまうと手遅れとなり、税務調査で指摘を受けてしまうことになるかもしれませんし、税務調査の場で挽回するのにも限界があります。
病気を放置しておいて悪化してから、お医者さんに「なんとかしてよ」と言っても限界があることと同じことですね。
そうならないようにするために、しっかりと予防しておくことが大切なのです。
対策といっても何も難しいことが必要なわけではなく、
問題になりそうな取引、
という、ごくごく当たり前のことを心がけることから始めれば良いと思います。
「調査が来てから考える」のではなく、「いつ税務調査が来てもOK」「いつでもどうぞ」の状態にしておくということです。
もっとも、本当にウェルカムな訳ではなく、いざ税務調査が入るとなれば、日常業務にも支障をきたさないように最小限の日数にしてもらうな
予防した結果の効果測定は難しい?
経営者のなかには、「予防」という概念が、頭では分かっていてもそこまでピンとこない、という方もいるかもしれません。
その理由の1つは
・予防した結果としてうまく対応できたもの
・きちんと税務上の主張が認められたもの
が金額としては提示されないからではないかと思います。
税務調査は、会社の処理に問題ないことが前提になっています。
そのため
・問題があれば指摘されるし、税金を納付する必要がある
・問題がなければ指摘されない
ので、正しい予防の結果として問題がなければ、調査でも指摘されないわけです。
そのため、「予防した結果として指摘されなかったのか?」あるいは「もともと問題がなくて指摘されなかったのか?」が分かりにくいのです。
もちろん、経営者の方が調査内容などいちいち細かく確認できない場合、両者の違い、区別がつかなくても仕方がないと思います。
だからこそ、税理士としては、しっかりとそのあたりのことも明確にしておく必要があるのではないかと考えています(金額的インパクトとしては表現しづらいのですが)。
ちなみに調査の結果、指摘されることがなかったとして「何もなかったじゃん」とか「楽勝だったじゃん」ではないということですね。
日々の処理、資料の準備状況、説明内容など、調査結果に至るまでの過程があっての結果なわけですので。
税務調査が終わったら次回以降に向けての整理を
税務調査が終わってホッと一息、しばらく大丈夫かな?なんて考えたいところですが、このタイミングではしっかりと振り返りをしておくことも必要です。
・問題はあったけど今回は見逃してくれたもの
・指摘されたら危なかったけど調査で発見されなかったもの
・依然としてリスクが残っているもの
など、調査中に気になったことなどがあれば、きちんと整理しておくことが必要です。
「指摘されなかったから完璧というわけではない」という意識を持ちながら、そのあたりのことについても、調査に立ち会っていた税理士に確認しておくべきです。
そこまでを済ませて一連の税務調査が完了と考えるのが良いのではないかと思っています。
【編集後記】
テレビをつけるとどのチャンネルもワールドカップ一色ですね。。。
おかげでテレビを見ないで済む、というメリットを感じています!?
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら