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「税理士は税金計算だけしてくれればよい」という期待値の先にあるもの

stevepb / Pixabay

税理士の役割や税理士に対する期待値について考えてみます。

税理士に対する期待値。税金計算だけしてくれればよい!?

税理士に期待することとは、どのようなことでしょうか。

・税金を正しく計算してくれる
・できれば安いほうがよい

期待するのは、この2つくらいだよ、という経営者の方もいるでしょう。

ざっくり言ってしまうと

「税理士は税金の計算だけしてくれればよい」

というのが期待値ということになりますね。

また、これらに加えて「税務調査のときにしっかりと対応してくれることが必要」と考える方もいると思いますが、そもそも普段、正しい対応・処理をしていることが前提ですから、大きく括れば同じグループと言えるかと思います。

税理士の側でもこれらの期待値を想定して、「安さ」を売りにしている事務所はたくさんあります。

「安い」はメリットですが、あくまでも「サービス内容が同じなら」という前提条件がつきますね。

「言ったもん勝ちの世界」であることは否めない!?

税理士事務所がアピールしていることといえば

・節税に強い
・税務調査に強い
・業界に詳しい
・安い

といったあたりが多いかと思います。

「安い」は数値化できるので、比較することが可能です。

ですが、それ以外のものは「どの角度から見ているか」次第でもあり、「物は言いよう」だったりもします。

何をもって「節税に強い」「税務調査に強い」「業界に詳しい」と言っているのか、基準はあいまいですね。

「節税に強い」ってほんとにそんなことあるの?というのもあります。

本来、きちんとした税理士がきちんと計算すれば、税金の計算結果も同じになるはずです(「きちんと」がポイントにはなりますが)。

これだけインターネットが発達し、手軽に情報が入手できるようになっているなかで、どれだけスペシャルな節税策(白かせいぜいグレーまで)があるのか?ということですね。

多くの場合、このように税理士が売りにしていることというのは

・検証しようがない
・ある意味では言ったもん勝ちになっている

のではないかなと感じたりしています。

また、税務調査の場合だと、どのように対応すべきか?など、間違いなく「ノウハウ」は存在します。

ただし、税務調査でもめないようにしっかりと普段から準備をしておくことが「本来、顧問税理士がやるべきこと」だと考えています。

その意味では、税務調査の場面で

「うまく対応して活躍すること」が「税務調査に強い」ということにはならない

ではないかと。

その意味でもやはり「言ったもん勝ちか・・・」と思ったりもします。

税金計算マシンを超えたところからが個性

このように結局のところ、税金計算ではそれほど差がない、言ったもん勝ちであるということが分かってくると、やっぱり

・税金計算だけしてくれればよい
・しかも安いほうがよい

という、最初に書いたところに戻ってきてしまいますね。

ただ、
税金計算だけしてくれればよい=税金計算マシン
を求めるだけでよいのかどうかは、一度考えてみる必要があると思います。

税金計算マシンの場合、税金計算に影響がない項目は無視してしまうこともあるでしょう。

経理処理が間違えていようが、会社や事業がおかしな方向に進んでいようが

税金計算には影響がないので・・・

という判断でスルーしてしまったり、そもそも対応できなかったり。

正しく税金を計算することと、さまざまな改善をしながら事業の発展にも寄与することとは別問題なわけです。

何はともあれ、「税金計算だけしてくれればよい」の先には「安さ勝負」の世界があり、

さらには

検証できない、言ったもん勝ちの基準が存在する、

ということは認識しておいても損はないのかなと。

だからこそ、

税金マシン+言ったもん勝ちの世界

を超えたところからが「個性」であり、税理士に期待すべきこと(税理士としては「力を発揮すべきところ」)なのではないかと考えています。

もちろん、それらを認識したうえで「安さが一番」「言ったもん勝ちでもそれを信じる」というのであれば、それも考え方の1つなので、アリだとは思っていますが。。


【編集後記】

昨日は終日、ある打ち合わせに参加していました。
そこで、数十年間、事業を育ててきた経営者の方のお話しをお聞きし、やはり事業への思い入れが生半可なものではないことを改めて感じました。
そうでなければ、良い会社、良い事業に育てることはできなかったでしょうから、当然といえば当然なのですが、良い刺激をいただくことができました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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