税務+会計+ときどきゴルフ

税理士という資格について考えること

いろいろな税理士の方と話していると勉強になることが多くあります。

似たような考え方をもつ方との交流は共感をおぼえることも多くて楽しいものです。
また、全然違った考え方やバックグラウンドをもつ方との交流も、それはそれで違う刺激があって有意義なものだと感じています。

そんなことを感じつつ、ふと税理士という資格について考えてみました。

税理士という資格の取り方

税理士になろうとする場合には、いくつかの方法があります。

1.税理士試験合格者(5科目)
2.大学院卒業による一部科目の免除者(最低でも2科目には合格が必要)
3.税務署のOB(23年勤務で試験免除)
4.他の資格保有者(弁護士、公認会計士)

「税理士界」という税理士向け会報に平成28年度末の税理士登録情報が掲載されていました。


*税理士界 第1352号のスクリーンショット

この表の中の試験免除者には、上記「2.大学院による免除者」、「3.税務署OB」が含まれているようです(他に細かな例外はあるようですが)。

つまり税理士として登録している人(76,493人)のうち、5科目の税理士試験に合格した人は45%であり、それ以外の方法により税理士になっている人が過半数ということになりますね。

もっと驚いたのが、平成28年度における新規登録者の割合です。


*税理士界 第1352号のスクリーンショット

試験合格者はわずか30%程度になっています。

税理士試験の受験生自体がかなり減少しているようですが、その影響もあるのでしょう。

税理士登録者全体に占める税理士試験合格者の割合は、今後ますます小さくなっていくのかもしれません。

資格の取り方に対するいろいろな見方

私自身、どの方法が良いとか悪いとかを言うつもりは全くありません(良い悪いはないと思っているので)。

ただし、それぞれについていろいろな見方があるのは事実でしょう。

典型的な意見として、次のような発言を耳にすることが結構あります。

(税務署OBに対して)
税務署の立場が分かることもあり、税務調査などで頼りになる。
専門だった税金には詳しいが担当外の税金(地方税なども)や申告実務は詳しくない。
税務署の味方か会社の味方か分からない人がいる。

(公認会計士資格による税理士に対して)
(一般的に)税理士よりも監査的な見方ができたり、会計に関する高度な知識をもっている。
税金のことをよく知らないのに税理士業務を行っていていいのか。
税務調査の経験が乏しい。

(弁護士資格による税理士に対して)
法律のプロではあっても会計の知識は??

(大学院による免除を受けた税理士に対して)
試験を受けずに試験が免除されるなんて・・・(羨ましい!?)。

(試験合格者に対して)
試験合格者とはいえ、勉強していない税法について詳しいわけではない。

税理士になるためのいろいろなルートが認められている以上、それぞれについて一長一短があることはやむを得ないのではないかと思います。

違和感をおぼえる考え方

少し違和感をおぼえるのが、特定の方法による資格取得を(露骨に)良しとしない考え方です。

例えば、「公認会計士が税理士を名乗れるのはおかしい」という考え方もそうですね。

会計士については、現在、税法に関する研修の修了が義務付けられることになっています。
もしも本当に必要なことだと考えているのであれば、これでは足りないとは思いますが。。。

税理士試験合格者の中には、試験合格者以外は特殊なルートと考えている方が多いと感じることがあります。

しかし前述の通り、試験合格者は全税理士の半分弱、新規登録に限ってはわずか30%です。

多数派か?少数派か?というのは問題ではないとしても、多数派でないというのが実態ではあります。

日本における税理士制度を考えた場合に

・少なくとも現時点では、税理士になるためのいろいろなルートが正式に認められている。
・税理士資格を取ろうと思った時に、「税理士のなり方が複数あること」を知っていた。
・複数の方法の中から、自分で試験合格を目指すことにした。

ということであれば、全てを把握した上で「自分が」試験による合格を目指したわけです。

ですから、自分が選んだ方法以外の方法について「おかしい」「おかしくない」と考えること自体が「おかしい」のではないかなという気がしています。

もちろん税理士の信頼性を損なうような大きな問題点をはらんでいるのであれば、きちんと訴えていくことが大切であるというのは当然です。

ただし「完璧ではない」というのはどの方法(試験制度)にも当てはまることですので、難しいところですね。

それよりも何よりも、クライアントである会社や個人にとっては

・どんな方法で税理士になったかは関係ない。
・いかに役に立ってくれるかどうかが大切なポイント。

ということを常に意識しておかなければいけないと改めて感じています。


【編集後記】

ゴルフの全米オープンゴルフ、松山選手は惜しくも2位でした。
チャンスがあっただけに残念な気もしますが、堂々の2位ですからメジャー制覇も時間の問題ですね。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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