先週末、東京青年税理士連盟の総会で税理士法についての講演を聞く機会がありました。
税理士法とは税理士の制度を定めている法律で、税理士が知っておくべき、守るべきことが規定されています。
その中で一般の人にも影響を与える可能性があるものとして、「名義貸し禁止」「ニセ税理士」の問題があります。
禁止されている「名義貸し」とは
納税者からの依頼を受けて行う税務書類の作成や税務相談は税理士業務とされていて、有償無償問わず、税理士以外の人が行うことは認められていません。
そして、税理士ではない人に税理士が自分の名義を貸す(他人が作成した税務申告書にサインする)ことが「名義貸し」と呼ばれるものです。
この名義貸しは固く禁じられており、懲戒処分の対象となっています。
ニセ税理士には要注意
上で書いたような「名義貸し」がなぜ行われるのか、誰が得するのか、ピンとこないという方も多いかもしれません。
世の中には、税理士資格がないのに税理士業務を行っている人(ニセ税理士)が多くいるようです。
わざわざ「税理士です」と嘘をついていないとしても、少なくとも納税者側は税務の専門家と思って業務を委託しているケースが多いのではないかと思います。
ニセ税理士は、普段の税務業務では税理士のように振る舞えたとしても、税務申告書にサインをすることはできません。
そのような場合に、本物の税理士から名義だけ借りる(サインだけしてもらう)という名義貸しが行われることになります。
また名義貸しだけでなく、ニセ税理士が税務申告書を作成し、税理士欄は空欄のままで提出してしまうというケースもあるようです。
なお、ニセ税理士は当然、税務調査に立ち会うことはできませんので、肝心ときに役に立たないといえます。
なかなか減らない?名義貸し
税理士登録した後の研修時など、この名義貸し、ニセ税理士の問題については何度も聞かされています。
それだけこの問題がなかなか減らない、根深いものであるということでしょう。
税理士は年1回、「税理士及び職員等名簿」を税理士会に提出しますが、それも「ニセ税理士排除の目的に利用する」とのこと(実際にどう利用されているのかは不明ですが)。
では納税者の立場で相手が本物の税理士であるかどうかを知りたい場合、どうすべきでしょうか。
まずは税務申告書を見てみて、その人のサインがあれば問題ないでしょう。
逆に税理士欄が空欄や別の人の名前だったりする場合、
・本人に税理士証票を見せてもらう。
・税理士会に問い合わせてみる。
などして、早めに確認してみると良いのではないでしょうか。
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【編集後記】
先週から今月末にかけては、研修や勉強会、飲み会など、昼夜問わず予定がぎっちりです。
体調管理に気をつけなければいけません。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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