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税理士試験の科目選び、正解は1つではありません

税理士試験の勉強を始めたばかり、あるいは税理士試験の受験を考えている方のなかには、どの科目を選べば良いか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

税理士試験の科目

税理士資格を取るためには5科目の試験に合格しなければなりません。

試験科目は全部で11科目あります。
その中で必修科目と選択科目を組み合わせて全部で5科目を揃えることになります。

必修科目ー会計

・簿記論
・財務諸表論

選択科目ー税法

・所得税法(法人税とどちらか1つは必須)
・法人税法(所得税法とどちらか1つは必須)
・相続税
・消費税法(酒税法とどちらか)
・酒税法(消費税法とどちらか)
・国税徴収法
・住民税(事業税とどちらか)
・事業税(住民税とどちらか)
・固定資産税

必修となる会計科目を2つ、税法科目を3つで合計5科目となります。

科目選択に関してよく言われるアドバイス

勉強していた頃、専門学校での説明会や相談会、合格体験記などで情報を集めていました。

科目選びについて、考える基準としてよく言われるのは
・実務重視派か合格優先派か。
・国税(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法)にこだわるかどうか。
といったところでしょうか。

実務重視派か合格優先派か

実務重視派は、自分が現在行っている業務や将来携わりたい仕事に役に立つ科目を選択することになります。

法人相手や企業内で仕事をするなら「法人税法」「消費税法」は必須と言えます。

一方で、個人相手や個人でも相続関係の仕事をしたいなら「所得税法」「相続税法」は必須となるでしょう。

合格優先派は、自分がどんな仕事をするか、今後していきたいかに関わらず、合格できる確率が高い(イメージの)科目を選択することになります。

一般的には勉強時間が少なくて合格レベルに達しやすい科目が該当すると思われます。
もちろんそんな簡単にいかないのが税理士試験の難しいところなのですが、それについてもあとで少し触れたいと思います。

国税にこだわるかどうか

国税3法(所得税法、法人税法、相続税法)での合格、あるいはこれに消費税法を加えて4科目の中から3科目を選択すべきという意見もあります。

やはり実務上の重要性が高かったり、どんな業務を行うにしても、それらの税法については一通りの知識を身につけておくべき、といった考え方に基づくものだと思われます。

実際に選択した科目

私が合格したのは、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、事業税です。

法人税と消費税を選んだ理由

企業勤務をしていることから、単純に
・勉強と仕事を結びつけたい。
・だから法人税と消費税は必須。
という感じで、特にこの2科目については科目選択に迷うことはありませんでした。

事業税を選んだ理由

最後の事業税は、消去法でこれしか選べなかったというのが実際のところです。

法人税法と消費税法を一緒に受験した年に、運良く両方に合格することができました。
ところが受験直後には、両方同時に受かることはないだろうと思い、新しい科目の勉強を始めていませんでした。

その合格が分かってから次の年の試験を受けるには、時間的制約もあり、勉強時間が少なくて済む科目しか受けられなかったのです。

その中では、実務でも使用する事業税(特に外形標準課税など)を知っておいて損はないだろうと判断しました。

ちなみに「勉強時間が少なくて済む」というところに大きな落とし穴がありました。

ライバルも同条件ですから、試験では短い勉強時間で合格レベルに達した人たちとの競争になります。

例えば、同じ競争率10倍としても
・受験生10人のうち、合格レベルの人が8人いてその中でトップになること。
・受験生10人のうち、合格レベルの人が5人しかいなくてその中でトップになること。
では、合格確率は大きく違います。

合格レベルに達している受験生の割合が高いほど、競争は熾烈になります。
ということは合格レベルに達しやすい(勉強時間が少なくて済む)科目が受かりやすいわけではないということははっきりしています。

上で書いた「合格優先派」もそんな簡単にはいかないケースも多いのではないでしょうか。

今から選び直せるとしたらどうするか

今から過去に戻って科目選びをやり直せるとしたらどうするか、考えてみました。

企業勤務、あるいは法人相手の仕事をしないことは考えられないため、法人税法消費税法は外せません。

そしてあと1科目。
これは、勉強時間がどれくらい確保できるか次第です。

勉強時間の確保が厳しい場合

ボリュームが少ない科目を選択せざるを得ません。
企業内で仕事をするのであれば(特に外形標準課税の対象法人なら)、やはり事業税を選択することになると思います。

外形標準課税については、知っていると実務上役に立つこともありますので。

【デメリット】
・競争が熾烈であること。
・2年目・3年目になっても知識の上積みがなく、経験者と初心者の差がつきにくいこと。

ある程度勉強時間が確保できる場合

上で書いたように、ボリュームの少ない科目が必ずしも合格しやすいわけではありません。

その意味では、万が一1年目で失敗しても2年目以降に有利となるような、ボリュームがある科目(所得税法相続税法)を選ぶことになるとと思います。

【デメリット】
・勉強時間がある程度確保できなければ合格レベルに達しないこと。

おそらくどの科目を選んだとしても、「違う科目を選んでいたらどうだっただろうか」と考えることが出てくるのではないかと思います(特に不合格だったときなど)。

一般的に言われている「必要な勉強時間」が多いか少ないかではなく、それぞれが置かれている環境によって、合格の確率がより高くなる科目選択があるはずです。

勉強を始めた以上、合格しなければスタート地点にも立てないわけですから、
・「自分にとって」合格確率が高い科目を選択する。
・その中で実務面で使える科目を選択する。
という優先順位で科目を選ぶのがよいのではないでしょうか。

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【編集後記】

とある事情により税務調査が急遽中止に。
なかなか貴重な経験をすることができました。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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