税理士に関する不満をいろいろと聞くことがあります。
そのなかの１つが「相談できない」「相談しにくい」ということです。
税理士に相談できないって！？
いろいろな本やらネットやらを見ていると、税理士に相談しにくい、税理士に相談できないという内容の記事を見かけることがあります。
この「顧問税理士に相談できない」というのはどんなケースでしょうか。
・簡単なことを聞いたら怒られそうだと感じてしまう。
・質問すると嫌な顔をされる。
・面倒くさそうな対応をされる。
・質問をしてもきちんと回答してもらえない。
・なかなか連絡がつかない。
こんな感じのケースが多いでしょうか。
「なかなか連絡がつかない」とか「返事が遅い」などの物理的な問題の場合、それはそれで問題はあります。
ただ、お互いに決め事を設定することで、ある程度改善することができるかもしれません。
一方、「怒られそう」など雰囲気の問題だと、問題の根はけっこう深い気がします。
悩んでいるときや困っているときに頼りにしたいはずの顧問税理士が、「相談できない」「頼れない」のではどうにもなりませんね。
むしろ顧問税理士がいないほうが良いくらいかもしれません。。。
税理士が役に立たない！？
その一方、顧問税理士が役に立たないという声も多いです。
そもそも前述のように、経営者や経理担当者が「相談できない」という不満を持っていれば、それだけでも十分に「役に立たない」という存在かもしれません。
それだけではなく
・税務に関する相談をしても適切な回答がもらえない。
・税務調査で税務署に対してしっかりと説明してくれない。
・税務署の言いなりになっている（ように感じる）。
のような意見だったりします。
「なんのために毎月の顧問料を払っているの？」という不満を持っている方も多いのではないでしょうか。
何も問題が起こっていないときはそれを受け入れることができたとしても、税務調査などの特殊な事象が発生した場合に、普段の不満が爆発することがあるようです。
税理士は相談しにくく、しかも何かあっても頼りにならない、役に立たないという状況だと、そもそも会社と税理士との間でもっとも大切な信頼関係を築くことは不可能でしょう。
・会社：余計なお金を時間を使ってしまうことになる
・税理士：知らないところで「マイナス」のイメージを持たれている
という、なんとももったいない状況、お互い不幸な状況に陥ってしまっています。。。
事前にしっかりと確認しておくべきこと
このような不幸な状況に陥らないためには、お互いが相手に期待すべき機能・役割・業務範囲を明確にしておくことが必要です。
当たり前のようですが、きちんと明確にできていないケースというのは結構あるのではないでしょうか。
・顧問だったら、業務範囲はなんとなくこんな範囲だろう。
・前の顧問税理士はここまでやってくれたから、今度もやってくれるだろう。
というような漠然としたイメージでは足りないと思います。
たとえば次のようなものはほんの一例ですが、しっかりと事前に確認しておくべき項目だと思っています。
・毎月の業務ではどこまでをチェックしてもらえるのか。
＝＞異常値のチェックのみ、全ての仕訳、証ひょう類との照合、実査資料確認、滞留状況のチェックなど。
・決算時にはどこまでが業務範囲なのか。
＝＞決算書・申告書作成のみ、関連資料の作成など。
・各種届出関係（税務以外も含めて）はどこまでが含まれているのか。
会社としても税理士としても、あまり細かいところまでグリグリと詰めるのには抵抗があるかもしれません。
「まあ、その辺はやりながら適当に・・・」なんて感じのほうが、瞬間的には平和かもしれません。
しかしそこはお互いにビジネスですから、明確にできるものは明確にしておくに越したことはありません。
業務範囲や果たしてほしい機能を明確にしておけば、「相談しにくい」とか「役に立たない」という不満も多少は和らぐのではないでしょうか。
そもそも「相談すること」は契約に含まれていますし、「役に立たない」と感じるのであれば、必要な機能を果たしていないと考えることができます。
その結果として、必要な機能を果たしてもらえる税理士に変更した方が良いという選択肢が出てくる可能性もあります。
ちなみに、このあたりのことを明確にすることは税理士にとってもメリットがありますので、まったく問題ありません。
細かい部分の詰めが甘かったがために、
・良い関係が築けず
・お互いに不満を感じながら
・あるときにどちらかが爆発する
なんていう無駄な時間とお金を省くためにも、面倒でもしっかりと確認すべきことを詰めておくことを意識しておくことが大切なのではないでしょうか。
【編集後記】
ここ最近、またまた積読状態がひどくなりつつあります。
読むべき本の優先順位づけを見直さなければ。。。
【昨日の１日１新】
＊「１日１新」とは→詳細はこちら
ブランのバタースティック