大相撲の元横綱日馬富士関による暴行事件。
暴行事件の被害者である貴ノ岩関の師匠である貴乃花親方に対する処分が「2階級降格」となったようです。
貴乃花親方の対応を巡る賛否
2017年10月下旬に発生した大相撲の元横綱日馬富士関による貴ノ岩関への暴行事件。
発生から2ヶ月経ち、最近ではもっぱら貴ノ岩関の師匠である貴乃花親方の言動に注目が集まってきていました。
事件発生後から一貫しているのが、
・マスコミに対してコメントを出していないこと。
・相撲協会からの聴取に応じていないこと。
です。
最初はなんとか貴乃花親方のコメントを取ろうと必死になっていた(ように見えた)マスコミも、コメントを出さない貴乃花親方に対して、徐々に不満が高まっていったのでしょう。
被害者側である貴乃花親方を攻めるような論調に変わっていったのには、少し怖い感じがしました。
また、
・相撲協会に報告しなかった。
・相撲協会からの聴取に応じなかった。
・相撲協会の調査に協力しなかった。
といったことを理由に、処分が検討されているといったことが報道されていました。
そして今日、貴乃花親方に対して「2階級降格」という処分が下されました。
見方が異なるのは組織に対する考え方の違い!?
貴乃花親方に対する処分については、テレビなどでも賛否両論、意見が分かれています。
また、事件直後から現在に至るまでの貴乃花親方の言動も批判されているようです。
特に問題になっているのが、「事件のことを相撲協会に報告しなかった」という部分です。
相撲協会側が
・理事であり巡業部長である貴乃花親方は相撲協会に報告すべきだった。
と考えているのに対し、
貴乃花親方側の見解は
・まずはきちんと警察に報告していた。
・警察から相撲協会に報告してもらうことにしていた。
とのこと。
詳しくは分かりませんが、想像するに
・相撲協会に報告して済むレベルの話、問題ではない。
・れっきとした事件であり、きちんと警察に報告すべきもの。
・どう対応するかは警察の判断を待つべき。
と考えていたのではないかと。
で、この「警察には報告した」けど「相撲協会には報告しなかった」という対応への見方も
・相撲協会に属しているのだから相撲協会に報告するのは当然。
・相撲協会に報告しても揉み消されるリスクもあり、警察に報告したのはやむを得ない。
と賛否が分かれています。
なんとなく感じるのは、
・組織を重んじる人(良くも悪くも)は貴乃花親方の言動に懐疑的
・組織の前にまずは「個」だと考える人は貴乃花親方の言動に一定の理解
という傾向があるのかなということです。
ちなみに今回の件では、対応方法に賛否両論はあれど、被害者側である貴乃花親方が処分されるということには強い違和感を覚えています。
一方で、もう少しうまくやっても良かったのかな、という印象もありますね。。。
一般企業だったらどうか?内部告発と内部通報の違い??
一般企業の代表者や組織の長の立場からすれば、一連の貴乃花親方の言動には「?」と感じている人が多いかもしれません。
「まずは組織に対してきちんと報告してほしい」とか「警察に報告するにしても、その後は直接報告してほしい」という考え方も理解できます。
逆に、組織に属していない人、組織に対してマイナスの印象を持っている人は、一連の貴乃花親方の言動にも納得感があるでしょう。
例えば、企業内での不正を告発しようとする場合、内部告発や内部通報という手段が考えられます。
内部告発:不正行為や違法行為等を行政・司法機関やマスコミなどに情報提供すること。
内部通報:不正行為や違法行為等を社内の窓口や定められた外部窓口に通報すること。
と考えた場合、組織に対する信頼感がなければ、「内部通報」ではなく「内部告発」を選択せざるを得ないと判断したとしても無理はありません。
揉み消すという表現が適切かは分かりませんが、少なくとも大事にはしたくない相撲協会側とガチで白黒つけたい貴乃花親方側とで、考え方が異なるのは当然なのでしょう。
組織との信頼関係次第
今回のような刑事事件になるような問題であれば、外部への報告は避けられません。
ただ、そこまでには至らないような問題であれば、まずは内部通報などの内部報告で十分に対応できることもあるはずです。
結局のところ、組織との信頼関係次第と言えると思います。
組織側の立場にいるならば、普段からそのような意識をもって組織運営にあたっておくことが最低限必要になるのでしょうね(もちろん通報、告発されるようなこと自体を避けるべきなのですが)。。。
【編集後記】
昨日は年内最後の飲み会!ということで、1年の締めくくりらしく、楽しくガッツリ痛飲しました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
魚枡