社員の採用に悩んでいる会社は多いと思います。
「悩み」にもいろいろありますが、「社員が定着しない」という場合には、採用する際の考え方を見直す必要があるのではないかと考えています。
社員の採用に関するいろいろな悩み
社員の採用に関する悩みにはいろいろなものがあります。
・自社にとって良い人材が採用できない
・自社が必要と考えているスキルを持った応募者が少ない
・そもそも応募者数が少ない
・景気が良くなると、とたんに応募者が減ってしまう
・採用してみたらちょっと違っていた
・せっかく採用して教育もしたのに、すぐに辞めてしまった
などなど。
会社が大企業(有名な会社)か中小企業かどうかによっても、悩みの種類は変わってくるでしょう。
大企業の場合、
・応募数が少ない
・景気が良くなるととたんに応募者が減ってしまう
という悩みは、もしかすると少ないかもしれません(会社ごとのバラツキはもちろんあるでしょうが)。
一方、中小企業の場合、まずはこのあたりの部分で悩むということが多いかと思います。
景気が上向いているという実感があってもなくても、人材の売り手市場になると、
・採用の募集をかけてもなかなか申し込みがない
・応募者がいてもなかなか条件が合わない
といった感じで。
マンパワーグループが「中途採用」に関する課題について、アンケートを行った結果が同グループのサイトで紹介されていました(251人に対する調査結果)。
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/1704_001.html
そのなかで課題として挙げられているのが
1位:応募者がなかなか集まらない・・・64.1%
2位:求める人材の確保が難しい・・・56.6%
3位:ターゲットとしている人材以外からの応募が多い・・・35.1%
となっています。
どの会社も同じようなことに悩んでいるということが分かりますね。
「なかなか社員が定着しない!?」という課題
「中途採用」に関する課題の1位〜3位は、すべて応募者の選考に関する段階での課題です。
となると、やはり大企業や有名な会社、ブランディングがうまい会社とっては、それほど大きな課題ではないかもしれません。
この部分については、やはり中小企業のほうが大きな課題として認識しているのではないかと思います。
もちろん大会社や有名な会社なりに感じるところはあるのでしょうが。。
一方、「なかなか社員が定着しない」ということが課題と感じている会社も多いのではないでしょうか。
上記のマンパワージャパンの調査結果では、
「採用後、早期離職が多い」
が6位(22.7%)に挙げられています。
そして、この課題については、「入社後」の話ですので、大企業/中小企業問わず、ある程度共通した課題なのではないかと感じています。
居心地が良い会社なら、すぐに離職ということはないかもしれませんが、
・想像していた環境と違う
・想像していた仕事ではない
・事前に聞いていたものと条件が違う
といった理由で退職する可能性は、会社の規模やブランドに関わらず一定割合あるはずです。
その意味では、この「なかなか社員が定着しない」という課題は多くの会社にとって共通の課題と言っても良いのではないかと。
採用時に「短期間で退職された場合のコスト」も意識する
・頻繁に採用活動をしている
・頻繁に中途入社の社員が入社してくる
・中途入社で入ってきた社員が短期間でやめていく
ということを繰り返してしまっている、なんて会社もありますね。
そのような会社は、よほどのブラック企業でない限り、そもそも採用時点で判断を誤っている可能性が高いです。
状況としては、
・社員を採用するために募集を開始
・なかなか応募がない
・やっと応募がきた
・会ってみたところ、想定とは違う
・待っていても人材の応募があるかは分からない
・仕方ないかと妥協して採用することにした
・入社してみたらやはりうまくフィットしない
・会社も本人も消化不良
・結果として早々に退職
なんて流れになってしまっているケースが多いのではないでしょうか。
社員側に問題があるケースもありますが、採用時点で「どうかな??」と疑問を持ちながらも採用をしてしまった会社側の問題もあると思います。
社員を採用した場合には、採用のためにかかる費用だけでなく、「入社に関する事務手続き」「採用後の教育、研修のための人件費」など、さまざまな費用がかかっています。
にもかかわらず、もしも研修後すぐに退職されてしまったら、その費用はムダになってしまうわけですから、「また採用すればいいや」では済まないわけです。
だからこそ、採用するときには
「短期間で退職されてしまった場合のコスト」を意識して「ヘタに妥協しない」
ことが大切だと考えています。
すぐに採用しなければ業務が回らないのであれば、なんとか外注やアルバイトなどで凌いででも、です。
「〇〇が気になるんだけど・・・」というのは、後からでも必ず気になるポイントになりますので、まずは「妥協しない」という意識で臨む必要があると思っています。
ちなみにしっかりと見極めて採用した社員に、すぐに辞められてしまうようなことが続く場合には、会社自体に何かしらの問題があると考えた方がよいかもしれませんね。
【編集後記】
久しぶりに「変えたくない症候群」「変わりたくない症候群」の世界に触れました。
知らないまま、気づかないまま、そのまま生きていくことも、ある意味では幸せなことなのかもしれないと、感じてしまいました。
自分の会社の社員、組織の部下だったら「おいおい!」とツッコむところですが、他人事なのでまあいいか、と。。
【昨日の1日1新】
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