複数の商品販売やサービス提供を行っている会社の場合、それぞれの商品ごと・サービスごとに、人件費なども含めた利益を計算してみることがおすすめです。
商品ごと・サービスごとの利益を把握すること
複数の商品や製品の販売、サービスの提供を行っている場合、どのように業績を管理されているでしょうか。
売上、利益など気になる項目はいろいろあると思います。
・会社全体の売上、利益だけを管理しているケース
・グループごとに売上、利益を管理しているケース(商品グループ、部門毎など)
・商品ごと、サービスごとの売上、利益を管理しているケース
など。
会社によって、組織によって、管理レベルに差がありますし、「できる/できない」の問題もあるとは思います。
ただ、もし可能であれば、商品ごと・サービスごとの利益を把握することが大切だと考えています。
たとえば、会社全体での売上、利益しか管理していない場合、
・会社全体、部署全体では売上が増えている
・会社全体、部署全体では利益が増えている
ということが分かったとしても、具体的にどの商品がたくさん売れて、利益を稼いでくれているのかが分かりません。
これだと、暗闇のなかをライトも照らさずに歩いているようなものです。
こんな状況では、たとえば、売上が減ってきたとき、利益が減ってきたときに、どこに手を打てばよいかも分からなくなってしまうでしょう。
状況を正しく把握したうえで対策を考えるためには、商品ごとの損益計算、サービスごとの損益計算は欠かすことができません。
まずは粗利/売上総利益の計算
商品やサービスごとの損益状況を把握する場合、まず最低限やったほうがよいのは、粗利(売上総利益)の計算です。
これは、比較的ハードルが低いのではないかと思います。
粗利とは、売上から売上原価を差し引いたものです。
売上原価というのは、
・外部から仕入れた商品であれば仕入れにかかった費用
・自社で製造したものであれば製造にかかった費用
・サービスであればサービス提供に直接的にかかった費用
とざっくり考えてしまうのが分かりやすいかと思います。
このなかで、仕入れた商品についてはほぼ問題ないでしょう。
仕入れた金額、仕入れにかかった費用を確認すれば把握できるからです。
Excelでも販売管理ソフトでも問題ないでしょう。
少しややこしいのが、自社で製造したものやサービスです。
自社で製造したものは、製造にかかった費用を製品ごとに計算(原価計算)する必要があります。
サービスであれば、サービス提供にかかった費用(人件費など)を各サービスごとに割り振ったり集計したりする必要があります。
このように、ひと手間、ふた手間をかける必要は出てきますが、それでもやはり商品ごと・製品ごと・サービスごとの利益計算をするメリットは大きいのではないかと考えています。
できれば人件費なども含めた利益計算を
さらには、粗利(売上総利益)だけでなく、人件費などの経費も含めて、商品ごとの利益計算ができれば、さらに望ましいです。
商品ごと・製品ごと・サービスごとの営業利益を計算するイメージです。
A商品の利益=A商品の売上-A商品の仕入にかかった費用-A商品に関してかかった経費(人件費など)
というイメージになるでしょうか。
たとえば、
A商品:粗利率が高くても、クレームが多くて社員の手離れが悪い商品
B商品:粗利率は低いが、ほとんと手がかからない商品
があった場合、どちらが会社に貢献しているかは、分析が必要になります。
ぱっと見で儲かっているように見える商品でも、多くの労力(人件費)が割かれているとしたら、実際には儲かっていない可能性があるからです。
このように、粗利率を計算することは第一歩としては必要ですが、それだけでは本当の実力値は分からないともいえます。
細かくやり始めるとキリがありませんし、そこまで手が回らないという可能性もあります。
ですので、まずは「ざっくりと」「粗く」でも、一度計算してみるとよいのではないかと考えています。
実際にどう計算するか?は顧問税理士などに相談してみるのが早いと思います。
【編集後記】
昨日、イチロー選手が現役引退を発表しました。
今シーズンのプレーぶりを見ながら、どこかで覚悟はしていたものの、目の当たりにするとやはり寂しくなりますね。
引退会見(インタビュー)のやり取りをすべてリアルタイムで見てしまいましたが、自分の言葉がある、迎合しない、考えさせられることが多い、など、勉強になりました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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