仲間内のおトクな話には注意!?「再現性」がキーワード

仲間内でおトクな話を聞くことがあると思いますが、「本当かいな?」と思ったら、「再現性」というキーワードで検証してみるとよいかもしれません。

節税の裏ワザ?お得な話?

友人や知人などの仲間内で会話をしていると、
いろいろと「おトクな話」を聞く機会があるのではないでしょうか。

経営者同士の会話であれば

・うちはこんな節税方法をやっているよ。
・こんなものも経費にしているよ。
・こんな裏ワザを使って税金を払っていないよ。

など、「節税話」というのは大きな関心ごとですね。

・なんとか得をしたい
・損をしたくない
・やったもん勝ちなら、やらなきゃ損

という感覚が強い人であれば、そんなおトクな話、節税話があるなら

「自分もやっとこう!」

と思うのは自然なことだと思います。

本当に自分が知らなかっただけ!
であれば、「おトクな話が聞けてよかった」となりますが、

ちょっと裏ワザ的なものであれば、注意したほうがよいことがあるでしょう。

「指摘されていない」は信用できる?

裏ワザ的な話のなかには、結構危なっかしいもの、はっきり言ってしまえば

「それは黒でしょ!」

といったものが含まれていることもあります。

「それ、危ないんじゃないの?」
という問いかけに対しては、

「大丈夫、なんの指摘もされていないから!」
という回答が返ってきたりします。

この「なんの指摘もされていないから」が結構くせ者だったりもします。

・誰から指摘されていないのか。
・正々堂々とお墨付きをもらったものなのか。
次第と言えます。

節税法について、税務調査で「税務署が明確にOK」と見解を出したものであれば

「お墨付きをもらったもの」

と考えてよいと思います。

ただし、「税務調査で指摘されていない」だけでは危険が残ります。

・調査官が指摘しなかっただけ
・調査官が気づかなかっただけ
の可能性もあり、別の調査官であれば「NG」と判断されることもあるからです。

さらには「税務調査を受けていない」状態では、
そもそも「指摘される機会」がないわけですから、指摘されていないのは当然とも言えます。

本来であれば、しっかりと税理士が一度判断したうえで、申告納付するわけですから、
大きな間違いは起こらないはずですが、「見解の相違」を排除することはできませんので。

さらに経営者によっては、
「税理士にも黙っておこう」なんて考える人もいるかもしれませんので、
その場合はさらに調査で指摘を受ける可能性が高くなります。

結局のところ、おトクな話を聞いたとしても

「なんの指摘もされていない」は状況次第では、参考にならない

という感覚を持っておくことが必要になるわけです。

「再現性」がキーワード

そんなときに基準となるキーワードが「再現性」になります。

誰が判断したとしても同じ結論になるのか。
税理士でも、税務署でも、「それは問題ない!」という結論に至るのかどうか。

ここが1番のベースになるのだと思います。

上述した「指摘されていないから大丈夫」というコメントが、
「再現性のあるものなのかどうかを確認する必要がある」
ということですね。

お得な話を聞いたときに、

「そんな甘い話があるわけない」
とすぐに蓋をしてしまうのはもったいないですが、

「きちんと見極めたうえで行うべき」
だとは考えています。

ちなみに、あえて書きますが

再現性にこだわり過ぎると、「100%の安全運転」になってしまうのでは?
と考えてしまうかもしれません。

安全運転とは、
・税務上の判断が真っ白なものだけを許容する。
・グレーなものはNGと判断する。
というイメージですが、

「融通が利かない・・・」「固すぎる」「杓子定規」
ということではなく、そこをベースとして考えるということです。

ここは微妙なところではあるのですが、あとは

どこまでリスクを取るか?

という、「経営者自身や相談相手である税理士のバランス次第」になるかと。

まずは、なにかおトクな話を聞いたら、
「それは再現性があるものなの?」
という疑問を投げかけてみるということから始めてみるのもよいかもしれません。


【編集後記】

今日は東京ドームでジャイアンツ阿部選手の引退試合が行われます。
金券ショップででもチケットが買えれば!なんて思っていましたが、なかなか難しそうですね。

【昨日の1日1新】
「1日1新」とは→詳細はこちら

自販機で初めて購入したお茶


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