物を買ったりサービスを受けたときに受け取る請求書。
この請求書を受け取るタイミングと月次決算の正確性、税金計算上の注意点を簡単に整理してみます。
請求書がなかなか届かない!?
月次決算を「より正確に」やろうとするときに頭を悩ませることの1つが、「必要なタイミングまでに請求書が届かない」という問題ではないかと思います。
月次決算として、前月の損益情報を翌月初に集計する場合、その集計が終わった後で請求書が届く、というケースも結構多いです。
・今ごろ請求書が届いたんですがどうしましょうか?
・伝票を1件、追加したいんですがいいですか?
・金額が小さいので来月に回してもいいでしょうか?
などなど、月初になると問い合わせを受けることがあります。
このように
・請求書が遅れて届く
・請求書が必要なタイミングまでになかなか届かない
・請求書が揃うのを待っているとなかなか月次の損益情報が固まらない
という場合には、どのような対応方法が考えられるでしょうか。
いろいろな考え方があるかと思いますが、基本的には
「月次決算(月次の財務情報)」にどの程度の正確性を求めるか?
によって、優先すべきことが変わってきます。
月次決算の正確性
月次決算の目的としては、次のようなものが考えられます(もちろん会社によっていろいろですが)。
・毎月の損益情報を把握する
・現金預金やその他の資産、負債の増減などを把握する
・計画、目標に比べて進捗状況を確認する
この月次決算というのは、基本的には自社の管理用のために行うことであり、外部に提示する決算書や税金の申告に使用するデータと完全に一致させておく必要はありません。
あくまでも速報値/仮の数値という位置付けであり、もし修正が入っても社外の誰かからお咎めを受けるものではありません。
つまり月次決算の正確性は、会社(=意思決定者=経営者)が必要と考えるレベルが確保されていれば良いということになります。
例えば
・100万円の請求書が月次決算のタイミングに間に合わなかった
・そのため100万円の経費が少なく計上されている
・結果として、月次の試算表で100万円だけ利益が多くなっている
という場合、その100万円の誤差を大きいと感じる会社もあれば小さい(誤差範囲)と感じる会社もあるでしょう。
・誤差が大きいと感じる会社は100万円単位でのズレは無くしていきたい
・誤差が小さいと感じる会社は100万円単位のズレはOK
といった感覚の違いがうまれることになります。
「請求書が届かないからどうしようか?」という問題にどう対応するのかは、
経営者が想定(許容)しているズレの範囲であるかどうか?
によっても変わってくるということになりますね。
許容範囲外のズレが生じる可能性がある場合は?
・請求書が届かない
・その分、月次で作成する損益情報が正確でない
・そのズレが経営者が考える範囲を超えてしまう
という可能性がある場合には、対応方法を検討する必要があるかもしれません。
一般的には次のようなことを試してみると、改善できるのではないかと。
・請求書を早めに送ってもらえるように事前に依頼しておく。
・間に合わない場合には、先行してFAX、メールででも請求書を送ってもらう。
・電話で請求金額を確認して、とりあえずその金額で伝票を作っておく。
・毎月同じような金額が発生するものは、概算金額で伝票を作っておく(翌月補正する)。
いずれにしても、「事前に」「請求書が届くこと/経費が発生したことが分かっている」ということが前提になります。
ズレとして許容できる金額レベルをしっかりと把握しておき、それを超える請求がありそうであれば、事前に出来る限りの準備をしておくということが大切です。
税金計算上の注意点(本決算の場合)
ちなみに、月次決算はあくまでも社内管理用なので・・・と前述しました。
一方、決算書の作成や税金計算は、一定のルールに則ってきちんと処理することが必要です(当たり前のことではありますが・・・)。
「請求書が届かなかったから経費は翌期で」
と安易に考えて、翌期分として処理してしまった場合、
社内管理上はOKでも、税金計算上は翌期の経費にならない(正しい期ではないから)
ということにもなりかねませんので。
・本決算や税金計算は正しい数値が最優先
・月次決算は許容できる範囲内の正確さであればOK(スピード優先)
という感覚を持てると、どう対応すべきかの基準が作りやすくなるのではないでしょうか。
【編集後記】
いろいろな環境が変わりつつあり、しばらく封印していた自宅兼事務所の引越し問題が急浮上してきました。
この週末は物件を探したりしながらウロウロと散歩をしていました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
喜福堂
塩大福
初めて足を踏み入れたエリアをうろうろ