数日前、中日の2軍コーチによる申告漏れがニュースになっていました。
このようなニュースを見ると、個人事業主にとっての経費は、境目を意識してしっかりと線引きすることが大切だと改めて感じます。
家族の外食や個人的な費用を経費に・・・
インターネット上のニュースでは、今回の申告漏れの概要は次のように紹介されていました。
(当事者ではないので、どこまで正確に書かれているかは分かりませんが)
・現役時代の3年間で4,200万円の申告漏れを指摘された。
・必要経費としては認められない生活費を必要経費として計上していた。
・追徴税額は過少申告加算税を含めて約1,800万円。
そして、必要経費として計上していたものとしては、次のようなものが挙げられていました。
・家族と食べた焼肉やうなぎ等の外食費
・食料品
・高級紳士服
・腕時計
・女性用アクセサリー
・家族とのハワイ旅行
・自宅の警備
・クリーニングの費用
項目をパッと見ただけで厳しいものが多いですが、同コーチなりに主張したかったことはあるようです。
本人と国税局の見解比較
毎日新聞の記事によると、それぞれの項目について、次のような主張をしたものの認められなかったようです。
*旅費:
(本人)トレーニング目的の旅行 ⇔ (国税)家族旅行であり生活費
*食費:
(本人)一般人より多めの栄養摂取が必要であり健康管理費 ⇔ (国税)食費として生活費
*衣服など:
(本人)移動時に使うから業務に必要 ⇔ (国税)業務に必要な支出ではない
*自宅警備:
(本人)プライバシーを守る費用で業務に必要 ⇔ (国税)業務に必要な支出ではない
「ちょっと無理があるよね」というものもあれば、「内容次第では認められても良さそうなもの」もありますね。
ご本人としては最初からこの理由付けでOKと考えて必要経費にしていたのか、なんとなく必要経費にしてしまっていてあとから理由付けしたのかは分かりません。
税理士が関与していたのかどうかも分かりません。
いずれにしても、該当する年から数年経ってから、1,800万円を納付しなければならないのはそれなりのインパクトもあり痛手ではないでしょうか。
個人事業主の経費
個人事業主の場合、「事業」と「個人の生活」が近いので、その線引きが難しく、それだけに大切なポイントにもなります。
端的に言えば
「事業の必要経費として認められるのは、収入を得るために直接要した費用」
であり、当然、生活費などは認められません。
つまり、必要経費とするためには「単なる生活費ではない」ことをきちんと主張できるようにしておくことが必要ということになります。
線引きが難しいからこそ、生活費とは明確に区別しておく必要があるわけです。
ちなみに、ある支出があってそれが経費として認められるかどうかを検討する場合、
・なんでもかんでも経費にしようとしている人
・しっかりと理由付けして経費と生活費を分けて計上している人
では、後者の人のほうが経費として認められる可能性が高くなる、あるいは少なくとも主張にも説得力があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。。
前述のコーチの場合でも、「なんでもかんでも」にしていなければ、もしかするともう少し経費として認められる余地があったのかもしれません!?
(実態が分からないのでなんとも言えませんが)
バレなきゃいいでしょ?で本当に良い??
いろいろなところで話を聞いていると、「なんでもかんでも経費」を結構大胆にやっている人もいるようです。
「今まで何も指摘されていないし・・・」という感覚があるのかもしれません。
ただ、「指摘されていないこと」と「認められていること」は別物であることは、しっかりと認識しておく必要があります。
お墨付きをもらっているわけでなければ、「まだ指摘されていないだけ」ということもあるわけです。
「バレなきゃいいでしょ!」なんて考えていて、いざ税務調査が入って指摘を受けてしまい、万が一、青色申告の取り消しなんてことになったら目も当てられません。
決められたルールの枠内でいかに工夫をしていくか?
このことを常に意識しておく必要がありますし、税理士などの専門家に相談するのであれば、そのような観点からアドバイスしてもらえる人を探すのが良いと思っています。
【編集後記】
メジャーリーグでの大谷選手の活躍がとまりませんね。
期待はしていても、まさかここまでとは!と思っている人が多いのではないでしょうか。
これからどんな成績を残すのか、二刀流を続けられるのか、楽しみです。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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