物を買うとき、サービスを受けるとき、値段交渉をしなければならないという思い込んでいる人って意外と多い気がします。
なんでもかんでも値切ればよいというものではないと思うのですが。。。
ゴルフ宅急便の値上げ
人件費、値段、値上げといえば、少し前まで話題になっていたのが、宅配便です。
ヤマト運輸とアマゾンとの間での値上げ交渉などが、数ヶ月前まで話題になっていましたし、それ以外でも宅配便の値上げがニュースになっていました。
ドライバーの方の過酷な労働条件なども取り上げられていたので、大変だなとは思いつつ、普段荷物を送ることがあまりないので、身近に感じることもありませんでした。
で、自分自身で宅配便の値段が上がったと実感したのが、先日ゴルフ宅急便を利用したときのことでした。
普段は車でゴルフに行くことが多いのでゴルフバッグを送ることはないのですが、その日は電車で行くことになっていたため、帰りのみバッグを送ることにしました。
ゴルフ場で精算したところ、送料が約1,800円かかっていました。
一連の値上げ前は、たしか1,400円くらいだったように記憶しているので、300円〜400円くらい値上げされている印象です。
そういえば、知人がゴルフ宅急便を往復で利用したら3,500円くらいしてビックリしたと話していたことを思い出しました。
いざ自分で払うとなると「結構値段が上がったんだ」と感じるものの、それがドライバーの方の人件費だったり、それ以外にも必要な費用であるなら、仕方がないのかなという気がしています。
そのサービスが受けられなくなるくらいなら、しっかりと続けていただいたほうが長い目で見て自分にとってもメリットがあるからです。
「値段交渉するのが仕事」って本当?
会社組織などで、購買部門や購買責任者(担当者)がいる場合、「値切ってナンボ」という価値基準が浸透しているケースも多いのではないかと思います。
大手になればなるほど、その傾向は強いでしょう。
営業担当、製造担当、研究職の社員よりも、購買担当者のほうが
・値段交渉になれている。
・しがらみがない(ケースが多い)。
・他社情報などに詳しい(ケースが多い)。
という点で、会社にとってもメリットがあるのでしょう。
この業務分担自体は合理的ですし、特に否定するつもりもありません。
もっともオーナー企業の場合、オーナー自身がよりシビアな交渉をするでしょうから、値段交渉するという意味での購買担当は必要ないのかもしれませんが。。。
このような業務分担が浸透しているから、というわけではないでしょうが、「値切ることが成果」という風潮があることには少し違和感があります。
本来やるべき値段交渉は、しっかりとやらなければならないでしょう。
しかし
・値段交渉(値下げ)に成功したかのような形式だけを整えて成果をあげたことにしている。
・提示された金額が妥当かどうかを判断する知見を持ち合わせていない。
・人件費だろうが物の値段だろうが、関係なく値段交渉しなければならないと考えている。
・根拠もなく、とりあえず提示された金額には値段交渉しなければならないと信じている。
というような場面に出くわすと「なんだかな・・・」と、感じたりもするわけです。
そんなことをしているから
・金額を提示する側:値切られることを前提に高めの値段を提示しておこう。
・金額を提示される側:最初は高めの値段設定になっているはずだから値段交渉可能だろう。
と考えて、お互いに値段交渉前提でのスタートになってしまうのではないでしょうか。
このような前提がお互いに余計な労力をかけることに繋がってしまっているのだと感じています。
人件費を値切られたらどうする?
私自身はこのような余計なやり取り(値段交渉をしたことで仕事をしている風を装うこと)が無駄だと感じているので、金額を提示するときに値下げを前提とした提示はしないことにしています。
相手の懐事情もありますし、サービス内容(発生する手間など)を見直すことで、結果的に値下げをすることはありえます。
「ただ単に値段を下げるだけ」ということはありません。
それは
・交渉したもん勝ち
・値切ったもん勝ち
・交渉しなかったもん負け
・値切らなかったもん負け
にしないためでもあります。
ある値段(単価)で受けていただいているお客様がいる一方で、別の方から価格交渉をされたからといってその値下げを受けてしまったら、きちんと支払っていただいている方に説明がつかないからです。
税理士業務やコンサルタント業務など、目に見えないサービスだと、なんとなく値段交渉したくなる気持ちも分かります。
ただ、だからこそ、こちら側からの最初の値段提示には慎重になりますし、責任も持たなければならないのだと考えています。
もしも人件費について値下げ交渉があったらどう対応するか?
その交渉に根拠があるなら真摯に受け止めて検討する必要があるかもしれません。
単に、「なんとなく高い」とか「ちょっと交渉してみよう」というような根拠のないものであれば、やはり受けることはできないと思います。
それならいっそのこと契約を結ばないとか、お金をもらわないほうがマシかなと。
そのほうがお互いにストレスを感じることもないでしょうし。
その自由があるというのも独立しているメリットなのだと感じています。
【編集後記】
昨日は仕事面でちょっとした一区切りとなるタイミングでした。
「年明けから」と言わず、「今日から」すっきりと新たなスタートです。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
数字のブラインドタッチを練習するアプリ