日常生活のいろいろな場面でよく聞かれる「経費で落とす」という言葉ですが、立場によって捉え方が変わります。
いわゆる「経費で落とす」ということ
業務上必要なものを買ったり、サービスを受けたとき、お金は会社が支払うことになります。
「業務上必要なもの」ですから、会社が負担するのは当然ですね。
このように、会社の費用として処理する(支払う)ことを「経費で落とす」と表現します。
なかには、プライベートに近い費用?を会社に負担させている人がいるかもしれません。
「いいよ、ここは経費でやっておくから。」みたいなノリだったり。
業務上の必要性が説明できれば問題ありませんが、どう考えても業務と無関係であれば、「会社」と「個人」の両方にとってリスクが大きいので避けるべきなのは言うまでもありません。
従業員と経営者の意識の違い
「経費で落とせる」と言っても従業員と社長とではその意味合いが異なるようです。
従業員の場合
一般的に「経費で落とせる」というと、その費用を会社に請求できることを意味します。
たとえば営業マンがお客さんと飲み会をしたとき、「経費で落とせる」場合にはその飲み代を会社に請求することができます。
逆に経費で落とせない場合(予算の関係や内容次第?)、全て自己負担となってしまう可能性もあります。
その意味では、従業員にとって「経費で落とせる」というのは、その分の「お金をもらえる」というニュアンスに非常に近いものがあるのではないでしょうか。
社長の場合
一方で、自分が社長の場合はどうでしょうか。
「経費で落とせる」といっても、そのお金を最終的に負担するのが会社(=社長)と考えると、少なくとも「お金をもらえる」という感覚は全く無いはずです。
この場合、「経費で落とせる」というのは、会社の経費にできるというだけのことです。
その分の税金を減らす効果はありますが、支払ったお金の全額を取り戻せるわけではありません。
経費で落としてもお金がもらえるわけではない〜「経費で落とせるからお金を使う」のはマイナス〜
このようなことを感じたのは、独立するにあたって「これからは飲み代も経費で落としやすくなるね」なんて言葉をかけられたことがきっかけでした。
従業員的発想で「経費で落とす=その分のお金がもらえる」なら、ガンガン使ったほうがお得!と感じる人がいるかもしれません。
ですが、実際にはお金がもらえるわけではなく、むしろ出ていくことになります。
10,000円の飲み代を経費で落としても、税率15%なら1,500円の税金が減るだけです。
差引8,500円はお金が減っていることを見逃してはいけません。
「経費で落とせる」からといって余計な支出を増やしても、悪い節税の見本として語られることが多い「税金を減らすための余計な支出」を増やしているにすぎません。
「経費で落とせるどうか」という観点ではなく、「本当に必要なのかどうか」をきちんと判断し、必要ならばしっかりと経費として処理すべき、であると改めて感じています。
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【編集後記】
タイガー・ウッズが大会ホストとして競技に復帰した大会で松山英樹選手が優勝。
中継を見ることは出来ませんでしたが、見ていた人はかなり盛り上がったのでしょうね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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