製造業の会社の経理といえば、「原価計算」というイメージがあるかもしれません。
ただ、その原価計算にもいろいろな種類のものがあります。
製造業にとっての原価計算
製造業の会社における経理といえば、「原価計算」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
原価計算とは、ざっくり言えば
製品1個を作るのにいくらかかったか?
を計算することです。
ある意味、単にそれだけの話だったりもします。
ちなみに、製品を作るのにかかる費用としては
・原材料(製品を作るための材料など)
・人件費(作る人の給料など)
・経費(水道光熱費など、製造するのに必要となる経費など)
などが挙げられます。
これらの費用を、製造した各製品に割り振っていくのが原価計算です。
「原価計算がポイント」と言えばそれらしく聞こえる?
原価計算というと難しいイメージで捉えられがちです。
しかも、製造業と聞いて「やっぱり原価計算がポイントだね!」なんて言うと、それらしく聞こえたりもします!?
もちろん大切な要素の1つではあるのですが、考え方によっては原価計算というのは
「製品1個を作るのにいくらかかったか?」を集計するだけ
であるとも言えます。
シンプルに考えれば簡単ですね。
たとえば、1ヶ月かけて、たった1個の製品を作る会社があるとします。
その場合、製品1個あたりの原価といえば
・その製品を作るのに使った原料や材料
・1ヶ月間の人件費
・1ヶ月間の製造経費(事務所の家賃、減価償却費、水道光熱費などなど)
を合計したものになります。
もしもこの製品を2個作るのであれば、上記の人件費や製造経費を2個で分けたものが製品1個あたりの原価ということになるわけです。
こう考えると、非常にシンプルであり悩むこともありません。
で、原価計算とは、そもそもこのようにシンプルに考えれば良いのだと思っています。
会社にとって必要な情報が何か?
会計基準等で定められた、正しい原価計算というものは存在します。
ただしそれは1つではありません。
どのような性質の製品であるか?、どのような原価情報を知りたいか?、によっても適した原価計算方法というのが変わってきます。
原価計算は、教科書的には(?)
・標準原価計算
・実際原価計算(個別、総合)
・直接原価計算
といったように分類されます(ざっくり過ぎるかも)。
それぞれの内容は、機会があればまた改めて紹介します。
で、前述のとおり、原価計算にはどれが正解でどれが不正解というものではありません。
もちろん
・会計上(上場企業など開示が必要な会社)認められるか?
・税務上(法人税の申告上)認められるか?
という問題はあります。
ただその問題をクリアさえすれば、あとは「会社が知りたい情報が何か?」次第で、どの方法を採用するかを考えれば良いわけです。
精緻に計算すればするほど、製品1個あたりの製造原価は正確に計算されるでしょう。
ただし、その正確さを会社が必要と考えるかどうかは別問題です。
例えば、製品1個あたりに直接かかった費用だけを知りたい場合、「直接原価計算」になります。
経営者や会社にとって必要な情報は「直接原価」ということが多いかもしれません。
ただし、会計上/税務上、それでOKかといえば、また別問題だったりもします。
一般的に「直接原価計算」は管理会計上の概念とされていて、会計上・税務上とも無条件に許容されているわけではありません。
ただし、会社(経営者)が「直接原価計算」を必要としているのであれば、
・直接原価計算をベースにする
・そのベースに何かしらの補正等を加える
・会計上/税務上とも許容される方法を検討する
ということも可能です。
そのためにも、「原価計算が・・・」というざっくりとした会話をするのではなく
会社にとって必要な原価情報が何なのか?
を明確にしたうえで、「原価計算」のことを語る必要があるのではないかと考えています。
そのためにも、まずは会社としての「必要な原価情報」の特定から始めてみることをおすすめします。
【編集後記】
クラウド会計の某社の方から電話で新しいサービスの説明を受けました。
誰を見てサービスを提供するのか、誰の役に立ちたいと考えているのか、がイマイチ理解できませんでした。
弥生会計もまたしかり、で「うーん・・・」という感じです。。。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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