家賃と一緒に共益費や水道光熱費を受け取る場合の消費税

なにかと取り扱いが分かりにくい消費税。
アパートやマンションを賃貸する際に、家賃と一緒に受け取る共益費や水道光熱費がある場合の消費税の取り扱いを確認します。

住宅用のアパート・マンションの家賃は非課税

まずは共益費や水道光熱費の前に、家賃自体の取り扱いを確認してみます。

居住用のアパートやマンションを賃貸借では、家賃に消費税はかかりません。

これは、消費税法で

住宅の貸付けは非課税

と定められているためです。

事務所、店舗、倉庫や工場など、居住用以外の建物の賃貸借については消費税の対象取引となります。

したがって、居住用だけが特別(例外的)な取り扱いということになります。

共益費や管理費などを受け取る場合

では、居住用のアパートやマンションの賃貸借で、共益費や管理費などを受け取る場合には、消費税はどのような取り扱いになるでしょうか。

結論としては、いわゆる共益費、管理費とよばれるようなものは「非課税」という取り扱いになります。

国税庁ホームページの質疑応答事例では、次のように書かれていました。

共益費……住宅を共同で利用する上で居住者が共通に使用すると認められる部分の費用を居住者に応分に負担させる性格のものについては、共益費、管理費等その名称にかかわらず非課税となります。

たとえば
・家賃 10万円
・共益費 1万円
という契約の場合、家賃・共益費とも消費税は非課税となるので、受け取る11万円には消費税は含まれていないということになります。

国税庁ホームページ:集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/09/02.htm

水道光熱費などは?

水道光熱費などについては、基本的には個人契約で、個人が自分の使用分だけを費用負担するのが一般的だと思います。

ただ、物件によっては、水道光熱費などを一定額で共益費や家賃などに含めて支払いを受けているケースもあるようです。

その場合、ちょっとややこしくなります。

賃料または共益費として収受するもの

内容
電気・ガス・水道利用料(各戸に対し電気・ガス・水道の供給サービスを行っているマンションの場合(各戸の使用実績はとらない。)

契約書上の表示例
・「(電気等)利用料を含む。」
・特に記載なし。

この場合には、「非課税」という取り扱いになります。

賃料とは別の名目で収受するもの

請求名目
電気・ガス・水道使用料

請求名目の内容
・各戸の使用実績を請求する場合
・一定額を請求する場合

この場合には、「課税」の取り扱いになります。

なお、以下の(注)が書かれています。

(注) 契約書等において賃料の明細として「○○利用(使用)料××円を含む。」との表示がある場合の当該表示された金額は、「賃料とは別の名目で収受する金銭」に該当します。

ということで、少なくともここで記載されている内容によれば、水道光熱費を受け取る場合、

・水道光熱費の料金が共益費や家賃に含まれている場合は非課税
・家賃とは別に、各戸ごとの使用実績や一定額を「水道料〇〇円」として請求するような場合は課税

ということになりますね。

取り扱いを決めるベースは契約書

ちなみに、前述したようなケースで、
・水道光熱費の料金が共益費や家賃に含まれているか
・別記されているのか
などの判断は、契約書がベースとなります。

つまり、契約書でどう書かれているか?で処理方法が変わるということになります。
もちろん、実態とは異なる契約内容になっていると、それはまた別の問題があるわけですが。。

もしもこのあたりの取り扱いに迷った場合には、まずは契約書の記載がどうなっているかを確認してみるのがよいと思います。

あとは下のリンク先で当てはめてみると、ある程度、あたりをつけられるのではないかと思います。

国税庁ホームページ:集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/09/02.htm


【編集後記】

自分のことではないし、身内でもないから、「もったいないな・・・」とは思っても言わないでおいたほうがよいのかな、と感じることがちらほらと。
どう対応するのがいいのか、悩ましいところです。

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*「1日1新」とは→詳細はこちら

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