本日現在(2017年1月)の消費税率は8%です。
2014年4月に5%から8%に引き上げられたので、改正から2年以上経過したことになりますが、現在でも消費税率5%を使用して計算することがあります。
改正前の消費税率を使用して計算する場合
返品や値引きなど
改正される前の消費税率を使って消費税額を計算する代表的な例が、返品や値引きです。
これは自分が売る側でも買う側でも同じです。
例えば、消費税率が5%のときに販売した商品について、税率が8%に改正された後で返品を受けた場合、返品処理で使用する税率は販売した時点の5%になります。
つまり、返品が発生したときの税率(8%)ではなく、その元となる販売取引があったときの税率(5%)で計算するということになります。
とはいえ、改正から2年以上経過した今となっては、遡っての値引きや返品というのはあまり考えられないかもしれません。
修正申告など
比較的多くの会社にとって、今でも無関係とも言い切れないのが、修正申告をする場合です。
この場合の消費税額も値引きの場合と同じように、修正申告するときの税率(8%)ではなく、元となった取引が発生したときの消費税率(5%)で計算することになります。
それ以外〜貸倒処理も
なお、それ以外では貸倒処理についても、適用される税率には注意が必要です。
貸倒れがあった場合には、その貸倒れとなった金額に対応する消費税をその処理をした課税期間で調整(納付すべき税額を減らすこと)ができます。
その計算で使用する税率は、調整する期ではなく、貸し倒れた債権を計上した期(実際に販売した期)の消費税率を使用して計算することになります。
消費税率が10%に上がるときも同様
2019年1月からは消費税率が10%に上がることになっています。
5%→8%への変更がようやく落ち着いてきたところで、「またか!」という気もしますが、仕方ありません。
上で見てきたように、消費税率アップの時期(2019年1月)を挟んで、値引きや返品、修正申告などをする場合には、元となった取引が10%なのか、8%なのか、あるいは5%なのか、をしっかりと確認しなければなりません。
修正の修正は避けたいところ
何かを間違えたときに、その修正を焦ったばかりに、再度間違えてしまうという経験をしたことがある人も多いのではないかと思います。
もしも修正申告や修正伝票を起票する場合には、すでに「間違えついで」「修正ついで」なわけですから、適用すべき税率をしっかりと見直し、確認することが必要です。
せっかく手間と時間をかけて修正したのに、もう一度その修正をしないといけないとなると、いささかカッコ悪いですし、何よりも時間がもったいないです。
修正申告をする場合でも、伝票を起票する場合でも、
「税率変更の時期を挟んだ処理(値引き、返品など)については注意が必要」
とだけでも頭に入れておけば、大きな間違いを事前に防ぐことができるのではないかと考えています。
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【編集後記】
「ためしてガッテン」の影響で、1日1杯の牛乳を飲み始めました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
長寿庵