人対人のコミュニケーション。
円滑なコミュニケーションのためには、相手の思考スピードに合わせることが大切だと感じています。
伝えたいこと/言いたいことがなかなか伝わらない
仕事中などに相手と会話をしていて、「こちらの言いたいことがなかなか伝わらないな」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
また、何か新しいことを相手に伝えるときや教えるときなどに
その場では「うまく伝わった」
と感じていたにもかかわらず、
「実は相手には全然理解されていなかった」
という経験をしたことがあるという方も多いかもしれません。
「税理士」と「経営者/会社」という立場で考えると
・税金上の考え方
・会計上の考え方
・経理処理の方法
・会計ソフトの取り扱い
などを、経営者の方や経理担当の方、実務担当の方に伝えようとするときに、うまく伝わらなかったりすることがあります。
もちろん、その伝えようとしている内容が難しすぎるのであれば、かなり時間をかけてじっくりと伝える必要がありますし、説明のときに使う言葉にも注意が必要になるでしょう。
そのようなポイントに注意したとしても、それでもやはり伝わらないという場合、会話が相手の思考スピードに合っているかを考えてみる必要があるのではないかと感じています。
思考スピードは人それぞれで異なる
思考スピードというのは、人それぞれで異なります。
ある物事について、ちょっと聞いただけですぐに理解する人もいれば、繰り返しあるいはじっくり聞くことで理解する人もいます。
会話の途中で分からないことが出てきてもとりあえず最後まで聞いてみようと考える人もいれば、分からないことが出てきた瞬間に思考が止まってしまうという人もいるでしょう。
どちらが良いか悪いかということではなく(思考スピードが早いほうがラクだとは思いますが)、思考パターン・思考のクセによって思考スピードが変わってきます。
いずれにしても、この思考スピードというのは人それぞれ異なるものであり、何か物事を相手に伝えたい場合には、相手の思考スピードに合わせて会話をしていくことが大切だと考えています。
時速60kmの速さで走る車を見るとき、
・自分が止まっていれば、相手がものすごく速く見える。
・自分が同じ速さで走っていれば相手を速いとは感じない。
・自分が50kmで走っていれば相手が速いと感じる。
・自分が70kmで走っていれば相手が遅いと感じる。
ということと同じなのではないかと思っています。
相手の思考スピードを意識してみる
もしも
◯◯さんには、こちらの話や説明をなかなか理解してもらえない。
◯◯さんとは、会話のテンポが違いすぎて、いまいちうまくコミュニケーションが図れない。
などと感じることがあれば、相手の思考スピードに合わせて話ができているかどうか、一度振り返ってみると良いのではないでしょうか。
営業の場面でも、いくら良い製品・良いサービスだからといって、相手がそこまで興味を持っていない段階でいくら売り込んだとしても、なかなか成約には至らないでしょう。
相手の思考が「検討しても良いかな」という段階になって初めて、売り込みの成果が出てくるとも言えます。
このように、会話を相手の思考スピードにのせるだけ、タイミングを図るだけで案外うまく伝わるようになることがあるのかもしれません(それでも無理な場合というのは存在するでしょうが。。。)。
では、会話をしながら自分の思考スピードと相手の思考スピードをどのように比較すれば良いでしょうか。
私自身まだまだ試行錯誤中ではありますが、少なくとも
・会話をしていて心地よい
・会話をしていて楽しい
・会話をしていてストレスを感じない
という相手とは、それほど大きく思考スピードは変わらないのではないかと思います。
もしも、会話をしているなかで「そこは分かったから早く説明を続けて!」という雰囲気を相手から感じる場合には、自分よりも相手の思考スピードが速いのかもしれません。
その場合には、できる限りその相手のスピードに合わせるため、重要なポイントに絞るなどして、普段よりも簡潔に要点を絞って会話をする必要があります。
ちなみにこのパターンの良いところは、「相手に言いたいことが伝わらない」という可能性が低いことです。
逆に自分よりも相手の思考スピードがゆっくりだと感じる場合には、注意が必要です。
伝えたいこと/言いたいことを、「伝えたつもり」でも、正しく伝わっていない可能性もあるからです。
きちんと伝わっているかどうかは直接相手に確認するしかありませんが、普段の会話の中での相手の言葉や雰囲気などから思考スピードを感じ取ることも可能です。
くどいようですが、思考スピードが速いことが良いわけでもなく、遅くことが悪いわけでもないと思っています。
大切なのは、相手の思考スピードを理解してそれに合わせられるように工夫しながら、円滑なコミュニケーションが図れるように心がけることなのではないでしょうか。
まずは「思考スピード」という基準を意識してみることがおすすめです。
【編集後記】
ここ最近、いろいろな業種、いろいろな規模の会社情報や財務データを見る機会が増えています。
業界固有の事情が財務諸表に表れていたりして、勉強になることも多いです。
【昨日の1日1新】
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