会社が現預金をどれくらい持っていれば安全なのか。
それを確認するための指標の1つが「現預金月商比率」です。
会社にとって大切な「お金」
会社が継続して発展していくためには、しっかりと利益を出して会社を強くしていく必要があります。
ただし「利益」が出ていれば安心というわけではなく、むしろしっかりと「お金」があることが大切であると何度か書いてきました。
利益が出ていても、お金が足りなくなれば経営を続けることができなくなります。
逆に、お金さえやり繰りできれば、赤字でも経営を続けていくことは可能です。
では、会社がどれくらいのお金を持っていれば安全なのか?
いろいろな考え方がありますが、その指標の1つが「現預金月商比率」と呼ばれるものです。
現預金月商比率とは
現預金月商比率とは、現預金が月商(1ヶ月の売上高)の何ヶ月分あるかを表す指標です。
計算式は次のとおりです。
現預金月商比率=現預金残高÷1ヶ月の売上高
この現預金残高に短期有価証券の残高を加えて計算することもあります(手元流動性比率)。
いずれにしても、会社の資金繰りに余裕があるかを確認することができる指標で、銀行などの金融機関が財務の安定性を見るときに参考にするものとされています。
ではこの現預金月商比率がどれくらいあれば望ましいのか。
一般的には、最低1ヶ月が基準、できれば1.5ヶ月〜2ヶ月以上が望ましいとされています。
あとは業種や会社の規模によっても基準が多少変わりますので、自社にとって望ましい基準がどれくらいなのか、顧問税理士に確認するなど、一度検討してみてもよいかもしれません。
比率が高ければ高いほど望ましい?
現預金月商比率は前述の通り、財務の安定性を表す指標であるとされています。
ではこの比率が高ければ高いほど、安定性が高まって望ましいと言えるのか?については、2通りの考え方があります。
1つが現預金月商比率が必要以上に高い場合、それだけ会社に現預金が多く残ってしまっているという考え方です。
見方によっては、現預金を会社に眠らせてしまっている(資金を有効に活用できていない)ということになります。
もう1つが、特に中小企業であれば、資金効率はあまり意識せず、この比率を高い水準で維持できるならそのほうが望ましいという考え方です。
絶対的な正解はありませんが、売上の変動や売掛金が回収できない場合に影響を受けやすい中小企業の場合には、資金効率はあまり意識しなくてもよいのではないかと考えています。
この指標をあまり意識したことがないという方は、まずは一度、自社の比率を確認してみると良いのではないかと思います。
【編集後記】
東芝の上場維持が決まったようです。
債務超過が回避されることになったとはいえ、やはりあれだけのことをやっても上場廃止にならないことに違和感がありますね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
華星 回鍋肉定食
明太もちチーズまん(セブンイレブン)
いろはす たっぷりれもん