昇進や昇給、人事評価(制度)について、悩んでいる経営者の方は多いのではないでしょうか。
昇進や昇給、人事評価制度について感じてきたこと
20年以上に及ぶ会社員生活の中で、常に次のようなことを感じてきました。
・頑張っても頑張らなくても評価や給料がたいして変わらないのは不公平。
・その割には、人事評価制度には細かい評価項目が設けられていて面倒。
・細かい評価項目があるにも関わらず、評価方法、評価結果はあいまい。
・結局、評価内容が良くても悪くてもいまいちスッキリしない。
・この程度なら最終責任者が一発で評価してくれたほうが時間のロスが少ないのではないか。
そして、最終的に行き着いたのが「自分の給料くらい自分で決めたい」という考え方でした。
こんな考え方をしている時点で、サラリーマンとしては向いていなかったのでしょうね。
もちろん、世の中には私が知らないだけで、きちんとした良い評価方法もあるはずです。
(評価制度構築をアドバイスしてくれるコンサルタントもいますので)
ただ残念ながら、少なくとも自分では巡りあうことはできませんでした。
経営者は昇進や昇給、人事評価こそ大胆に決めるべき
経営者や責任者の立場では、規模が大きくなって社員数が増えてくると、バランスなども考える必要が出てきます。
例えば、
・◯◯さんは頑張っているから給料を2倍にしてあげたいけど、他とのバランスが・・・
・◯◯さんを責任者にしたいけど、入社年次や年齢を考えると・・・
といった感じで、思いきった評価がやりにくい場面もあるでしょう。
ですが、そのような場合に「なんとなくそこそこ」の予定調和的な評価をしてしまっているとしたら、「経営者としてやるべきことをやっていない」ということになるのではないでしょうか。
頑張っている社員の昇進や昇給、人事評価こそ、経営者が大胆に決断すべきものなのではないかと感じているからです。
2倍の給料を払っても良いほど評価しているなら、本当に給料を2倍払ってあげても良いでしょう。
そんな形で社員の頑張りに報いる決断ができるのは、多くの場合、経営者しかいないはずです。
中途半端なやり方では誰も満足しない
社員の立場からすると、頑張っても頑張らなくても評価があまり変わらない仕組みに不満を感じる社員はそれなりにいるはずです。
10年以上も前の若かりし頃、人事評価制度の自己申告で試してみたことがあります。
自分の1年間の業績をまずは自己申告する仕組みでしたが、「だいたいこんな感じの評価をされるんだろうな」ということを想定した上で、
・あえて全ての項目を自分が思っている以上に良い評価にする(すべて5)
・あえて全ての項目を自分が思っている以上に低い評価にする(すべて2)
という2つのパターンを試してみました。
結果は予想通り、すべて5をベースで評価されることもありませんでしたし、すべて2をベースで評価されることもありませんでした。
で、2回の実験を終えて感じたことはズバリ
自己評価なんていらないじゃん!
ということでした。
そして「人事評価ごっこ的な中途半端なやり方」では、誰も満足しないだろうなと感じることになりました。
合わない社員は自然と去っていく?
もしも特定の社員の頑張りに報いるために、露骨に給料や昇進などに差をつけた場合にどうなるでしょうか。
それを受け入れられない社員は自然と会社を去っていくかもしれませんが、それはやむを得ないことなのではないかと考えています(わざと辞めさせるのはNGですが)。
それよりも、正しい評価をされた社員は意気に感じてさらに頑張るでしょうし、優秀な社員が給料や昇進などに不満を感じて会社を辞めていくリスクを減らすことができるのは大きなメリットです。
社員が多くなってくると、どうしてもマニュアル化された評価制度の導入を検討してしまいがちではありますが、原点に立ち返って
・実態を正しく評価することができているか。
・頑張った社員に報いることができているか。
をしっかりと一から見直してみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
何にでも当てはまることですが、内容を説明するための文書を作成する場合、表面的な分かりやすさだけを意識してしまうと、本質の部分を伝える機会を逸してしまう危険性があると、しみじみ感じています。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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