どの程度まで「正確に」「正しいタイミングで」経理処理をするか。
経営者がどのレベルを求めるかにもよりますが、まずは目に見えているところからしっかりとおさえておく、というのが最低限のレベルになるのではないでしょうか。
正しい経理処理
経理処理には、正しい経理処理と誤った経理処理があります(当たり前ですね!?)。
・正しい金額
・正しい勘定科目
・正しい処理方法(消費税の取り扱い等)
などなど。
これらについて誤りがあった場合、月次決算をしている会社や月次監査を受けている会社であれば、毎月のチェックのなかで発見されることがあるでしょう。
また、3ヶ月、6ヶ月、1年など決算のタイミングでも同じようにチェックされているはずです。
「最低限のレベル」という意味では、1年終わった本決算で正しい処理がされていれば、会計上も税務上も大きな問題にはならないケースが多いのではないかと思います。
一事業年度分の決算書が正しく作成されますし、税金も正しく納めることになるからです。
正しいタイミング
また経理処理では、正しいタイミングで経理処理を行うことも必要です。
たとえば、今月に売上を計上するべきだったのに、忘れてしまって翌月に計上する場合、金額や勘定科目などは正しくても、タイミング(計上月)が間違っているため、経理処理そのものは間違いということになります。
購入した品物の請求書が届かなかったから、今月は計上しなかった、なんていうのも同じように、正しいタイミングではありません。
このように、いくら正しい処理をしたとしても、そのタイミングが間違っていたらその経理処理は間違いということになってしまうのです。
処理漏れが起こりやすいのは目に見えないものの処理
・どこまできっちりと経理処理するか。
・どのレベルまでを求めるか。
にもよりますが、処理方法もタイミングもすべてを正しく処理することは結構難しいです。
経理処理には、「目に見えるものの処理」と「目に見えないものの処理」があると考えています。
「目に見えるものの処理」とは
・請求書が届いている。
・請求書を発行している。
・各種書類が整っている。
・現金や在庫など現物を直接確認することができる。
などのように、文字通り、目に見えるものです。
「目に見える」ものですから、動きがあったときに処理が漏れてしまうリスクは小さいのではないかと思っています。
それよりも処理が漏れてしまうリスクが大きいのは、目に見えにくいものの処理です。
・モノを購入したり、サービスを受けたのに請求書が届かない。
・いつのまにか倉庫から在庫がなくなっている。
・気づいたら得意先からの回収が滞っている。
・将来の支出に備えて引当金の計上が必要。
などなど。
「正しい会計処理」を意識するなら、「目に見える」ものだけでなく「目に見えない」ものも、しっかりと拾い上げなくてはなりません。
ただ現実的には、なかなかすべてを網羅することは難しいのではないでしょうか。
はっきりと見えている・認識できている項目から
いきなり全ての処理を完璧に、というわけにはなかなかいかないでしょう。
その場合には、まずは、はっきりと認識できる項目からしっかり処理していけば良いと考えています。
・請求書が届いているもの、請求書を発行したもの、についてはしっかりと処理をする。
・現金や預金、在庫など、残高がはっきりと確認できるものは、帳簿残高を合わせておく。
というように、当たり前のことを当たり前にやっておくことが大切です。
はっきりと見えているものを正しく処理するわけですから、難易度はそれほど高くないでしょう。
逆にこのあたりを外してしまうと、正しい処理からはどんどん遠ざかり、月次決算の精度も下がり、印象も悪くなり、ということであまり望ましいことではありません。
いきなり100点を目指すことは現実的ではありません。
ただ、しっかりとおさえるべきところ、優先して「ここだけは外さないようにしよう」というポイントだけは優先して固めておくのが良いのではないでしょうか。
【編集後記】
昨日は、とある方(数ヶ月前に独立した方)と久しぶりにお会いしての情報交換会でした。
似たような環境で頑張っている方の話を聞くと、良い刺激がもらえていいですね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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