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会計処理の理想と現実〜どこまでカッチリやるかは経営者次第!?〜

kulinetto / Pixabay

会計処理を考えるとき、常に意識しているのが理想と現実です。

会計処理の理想と現実

会計処理には「このように処理すべき」とか「このような処理が望ましい」というような理想型があります。

回答が1つとは限りませんが、「一般的に考えたらこの処理方法がいいよね」というようなものが「あるべき処理」であり「会計処理の理想」ということになります。

で、実際問題として「理想」を意識している会社が世の中にどれくらいあるか?と考えると、会計監査を受けるような大企業を除けば、それほど多くないのではないかと思います。

経営者が経理業務までこなしていたり、担当者が片手間で経理をやっていたりすると、あまり時間をかけられないという事情もあるかもしれません。

そして、とりあえず現金残高が合っていればいいかなとか、最低限の処理だけをして終わらせてしまうというレベルで良しとするのが「現実」なのかなと感じています。

具体的に見る「理想と現実」

どんな理想と現実があるか、具体例を使って見てみます。
マニアックな論点は無しで、イメージしやすいものを中心に。。。

勘定科目

経理部門で仕事をしていたときも問い合わせを受けることが多いのが、「どの勘定科目を使用すれば良いか?」という問題です。

理想としては
・基本的な勘定科目の基準(自社のルール)をきちんと定める。
・迷ったときは勘定科目基準を確認して、間違えないようにする。
・定期的に勘定科目基準を見直して、事例を追加するなどして最新版に更新していく。
という運用をすることです。

ただ実際には、そこまで細かくフォローしていくことは難しいと思います。

結局、なんとなく便利な科目(雑費など??)に集約してしまったり、機械的に過去と同じような科目で処理してしまったり、というケースも多いのではないでしょうか。

処理するたびに科目が違っていたり、あとから見ても分からない科目を使うことは避けたほうが良いですが、厳密に運用しようと意識しすぎなくても良いのかなと考えています。

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前払費用/未払費用/期間対応

どこまで正確に会計処理をするか、を考えるときに避けられないのが、「前払費用」と「未払費用」をどのように計上するかという論点です。

前払費用:将来の費用を前もって支払った場合に計上するもの
(例)1年分の保険料を払ったらその月に全額費用にせず、来月以降分は前払費用にする等。

未払費用:すでに発生している費用で支払っていないものを計上するもの
(例)クレジットカードや後払いで購入したものを引き落とし時に費用計上するのではなく、購入した時点で費用計上(未払計上)する、など。

理想は、前払・未払をきちんと計上して、期間の損益情報を正しく計算することです。

ただし実際にはかなり手間がかかりますし、慣れないうちは処理の間違いも起こりやすくなります。

そんなこともあって、普段はあまり意識せずに処理しておき、本決算のときだけはしっかりと対応するという方法もありなのかなとは思っています。

処理を修正するタイミング

過去の処理に間違いがあったとき、どのように修正するか。

「あるべき」としては、間違いが前期以前のものであればその財務諸表を修正するということになるでしょう。

ただ現実的には前期分の財務諸表の修正はあまりやりたくないですね。
落としどころとして、小額なら当期修正で終わらせるのもありでしょうが。。。

では、当期中の前月以前に誤りが発見された場合、どのように対応するか。

会計ソフトによって、月次でデータを繰越すと前月以前のデータが修正できないものと、月を越えて(前言以前に戻って)も問題なく修正できるものがあります。

これも理想は「前月以前のデータは修正しない」です。
せっかく月次決算で確認した前月データが、修正によって変わってしまうことになりますので。

ただし、本決算をまたいで遡るわけでなければ、事業年度単位で見ればほぼ影響無し、という見方ができないわけではありません。

どこまで許容範囲かをあらかじめ決めておく

会計処理に理想はあっても現実がその通りにならないのは、経営者にとって精緻な会計処理が

・必要がない(誰も困らない)
・興味がない
・影響がない
・メリットがない
・知識がない

という、ないない尽くしであることが要因の1つになっているのではないかと感じています。

良いとは分かっていても、「やるメリットがなければやらない」という選択になるのは当然のことですので。

会計処理をどこまでカッチリやるのか?
精緻にやろうとすればするほど手間がかかりますし、キリがない世界でもあります。

そのためにはまず、「経営者がどの程度まで要求するのか?」の基準を明確にしておくと、周囲も悩まないで済むのではないかと思います。


【編集後記】

昨日は、いままであまり飲んだことがないいろいろな日本酒を飲む機会がありました。
いつもそうなのですが、美味しく飲んでいても、翌日になると何ていうお酒を飲んでいたのか忘れてしまうという残念さ。。。
しっかりと写真に撮っておかないといけませんね。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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