経理部門の仕事について確認する「第2弾」では、5月にやるべき仕事を確認してみます。
3月決算の法人で、事業年度開始から2ヶ月目の5月、を前提にしています。
5月にやるべき経理業務:事業年度開始から2ヶ月目
経理部門で5月(事業年度開始2ヶ月目)にやるべき業務にどのようなものがあるか。
この記事を書くために考えてみました。
が、実際のところ、あまりありませんね。。。
日々のルーティンとして行う経理処理は当然あります。
現金出納、仕訳入力、入金確認、支払処理、各種資料作成など。
あとは4月度の月次決算もあります。
4月度の月次決算
5月初旬には、前月(4月)の月次決算処理を行います。
もしも月次決算(月次で損益情報をそれなりの精度で把握すること)をしていない場合、できるところからでも、始めると良いと思います。
業績が良いか悪いかはなんとなくイメージできても、改めて数字として見てみると、「思っていたのとちょっと違う」ということもありますので。
対応すべき課題がある場合、月次決算をしなければその発見が遅くなり、結果として対応が後手後手に回ってしまうこともあるかもしれません。
あとは4月度(新年度スタート月)は、経理処理が変わるものがありますので、そのあたりのチェックも必要です。
これ以外では、次に記述する決算関連を除いて、5月ならではの業務はそれほど多くないと思います。
前事業年度に関する仕事:決算など
5月は前事業年度に関する決算業務や関連する業務をしなければなりません。
会計監査対応
監査法人による監査を受ける会社については、前事業年度分の会計監査が続いていると思います。
4月から引き続き決算短信、有価証券報告書の作成をしながら、会計監査への対応を行うことになります。
税務申告と納付
前事業年度分の税金に関する申告・納付が必要になります。
法人税、消費税、地方税(法人住民税、法人事業税)など。
もっとも、顧問税理士にお任せという会社も多いかと思いますので、実際には「納付のみ」ということかもしれません。
なお、株主総会の開催日が6月以降であるなどの特別な事情があれば、届出をすることで法人税・地方税については、申告期限を延長することが可能です。
ただし
・消費税は申告期限の延長の対象にはならないこと
・納付期限は事業年度終了日から2ヶ月以内であること(遅れると利子税が発生してしまう)
には注意が必要です。
株主総会
もしも法人税の申告期限を延長していない場合、株主総会を5月中に開催する必要があります。
本来の考え方は逆で、
・株主総会を5月中(事業年度終了から2ヶ月以内)に開催すると定款に定めているのであれば、5月中の開催が必要。
・そして法人税の申告期限を延長していないなら、5月中に申告が必要。
ということになるわけですが。
総会準備が経理部門の仕事なのかどうかは別として、決算書を確定するなど、総会に向けた準備も必要になります。
5月にやるべきその他の税務の仕事
その他の税金関連としては、
・営業車がある場合には自動車税納付
・地域にもよりますが固定資産税・償却資産税の納付
といったものもあります。
これらは基本的に納付書が送られてくるので、そのまま納付するだけです。
納付をうっかり忘れてしまわないようにだけ気をつけておけばよいかと思います。
5月には普段できないことをやっておく
このように整理してみると、5月はあまりやることがない月と言ってもよいでしょう。
上場会社などであれば、決算短信や有価証券報告書の作成業務はあるでしょうが、重たい部分は4月で片付いているでしょうし。
ましてや非上場会社ならなおさらですね。
で、このようなタイミングだからこそ、忙しい時期にはできないことをやっておくことが将来に繋がります。
・調べたいと思っていたこと、よく理解できていなかったことを徹底的に勉強する
・業務の効率化を検討する(無駄な作業をしていないかの見直し、作成資料の見直しなど)
・資料の体裁などを見直す(罫線欠け、フォント統一、その他見栄えを良く)
このようなことは、忙しいとなかなか時間を取ることができなくなってしまいます。
だからこそ、ルーティン以外の時間が確保しやすい5月のようなタイミングで、普段できてないことをやっておくことが有効だと考えています。
ちなみに、なんとなく暇だな、業務が落ち着いているな、と感じているからといって、ネットサーフィンをしているのは最悪な過ごし方です。
もちろん調べ物をしているのならいいのですが、調べ物をしているのかそうでないのかは周りからも分かりますし、それならいっそのこと休暇を取得したほうが会社にとっても本人にとっても良いのではないかと思ったりもしています。
【編集後記】
久しぶりに自室の本棚の整理をしました。
そういえばこんな本もあったな、とか、この本は今もう一度読み返したほうが良いな、なんて思いながら確認したこともあって、思った以上に時間がかかってしまいました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら