経理の仕事について確認する「第3弾」では、6月にやるべき仕事を確認してみます。
3月決算の法人で、事業年度開始から3ヶ月目の6月、を前提にしています。
6月にやるべき経理業務:事業年度開始から3ヶ月目
事業年度開始から3ヶ月目、6月にやるべき業務を考えてみます。
経理部門としてのルーティン業務は、特に通常月と変わりません。
・現金出納
・会計仕訳
・債権管理
・入金確認
・支払業務
・資金繰り確認
・源泉所得税納付
・各種の管理資料作成
などなど。
5月度の月次決算
月次決算もルーティンと言えばルーティンですが。
5月度の記事でも書きましたが、月次決算をしていない場合、簡単にでも損益を把握できるようにしておいたほうが良いです。
大げさにやる必要はありません。
・どこまではやるか。
・どこからはやらないか。
だけをざっくり決めて、まずは1ヶ月間の損益を確認してみるところからでもOKです。
月別比較で予算・実績のエラーをチェック
5月度の月次決算をすると、4月と5月の試算表を比較することができるようになります。
会計ソフトで月次推移表を見ることができると思いますので。
推移表で4月と5月を比較しながら
・異常値がないか?
・4月あるいは5月に入力もれがないか?
・予算と比べて実績はどうか?
などを確認することになります。
1ヶ月分の実績を眺めるだけだと発見できないことも、2ヶ月分(以上)を推移表で見てみると、他の月との比較により、エラーを発見することも可能です。
・そんなに変動がないはずの費用の増減が大きい
・毎月発生するはずの費用が計上されていない
などあれば、早めにエラーに気づくことができるかもしれません。
また、予算とも比較してみることで
・予算作成上のミス(織り込むべき費用をいれていなかった、など)
・実績入力上のミス
を発見することにもつながりますので、やっておいたほうが良いかと思います。
四半期決算への対応
月次決算だけでなく、四半期決算(3ヶ月ごとの決算)を導入している場合にはその対応も必要になります。
四半期決算への対応
四半期決算では3ヶ月ごとに決算処理を行いますので、第1四半期が4月〜6月の3ヶ月間になります。
ですので、6月末で決算をするための準備をしておく必要があります。
新年度から適用されることになる会計基準などがある場合、この第1四半期からの対応が必要になるものもありますので、事前確認・準備をしておいたほうが良いでしょう。
なお、上場会社のように四半期決算が義務付けられている会社もあれば、自主的に四半期決算を行っている会社もあるでしょう。
「自主的な四半期決算」であれば、「どこまでやるか」だけを決めておけば良いかもしれません。
各種引当も
四半期決算は、あくまでも「決算」ですので、その期間の損益情報を正しく作成することが必要です。
そうなると各種の引当も必要になってきますので、自社に必要な処理がなにか?は整理しておいたほうが良いですね。
たとえば、7月に支給する予定の賞与について、賞与引当金を計上しておく、などなど。
会社によっては株主総会や税務申告も
また、会社によって違いますが、株主総会が事業年度終了から3ヶ月以内に行われるという場合、6月に株主総会が開催されます。
もっとも、上場会社を別とすれば、株主総会は議事録を作成して終わり、という会社が多いとは思いますが、一応、書類を一式整えておく必要があります。
そしてそれと合わせて、法人税や地方税(法人住民税、法人事業税)の税務申告も行うことになります。
なお消費税の申告は株主総会(決算確定)には影響を受けないので、5月中の申告・納付が必要になりますので念のため。。。
経営者の方とお話ししていると
・月次決算といってもたいしたことやってないし。
・四半期決算なんて手間もかかるし。
という感覚をお持ちの方が多い気がしますが、そこまで固く考えなくても良いのかなと。
・1ヶ月終わって業績がどうか。
・3ヶ月(事業年度の1/4)が経過しての業績がどうか。
を感覚だけではなくて、実際の数字として見てみることは必ずプラスになるのではないかと考えています。
自社であればどこまでなら対応できるのか、対応する必要があるかのか。
事業年度が始まって間もないこの時期に、一度考えてみる価値はあるかもしれませんね。
【編集後記】
週末のゴルフはスコアにこだわったラウンドをしてきました。
ダブルス競技に参加するかどうかを判断する、自主的カットラインを設定してのラウンドでしたが、残念ながらクリアできず。。。
今年のチャレンジは中止となりました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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