経理業務の効率化を考えた場合、業務を溜め込まずにこまめに処理したほうが効率が良いイメージがありますが、社員の人数や内容によっては、必ずしもそうとは限りません。
溜めてからまとめて処理したほうが効率が良い業務がないか、見直してみる価値はあります。
経理業務の効率化に関する一般的なイメージ
経理業務に限らず、一般的に仕事は溜め込まずにさっさと処理すべきです。
新入社員や若い頃にはそのような指導を受けてきた人がほとんどではないかと思います。
経理業務についても、本来あるべき姿は、溜め込まずにどんどん捌いていくことでしょう。
経理部門は、お金を取り扱う部門、業務ということもあり
・机の上に伝票が山積みになっている。
・未処理のものが溜まっている。
というのはマイナスのイメージです。
ただし業務の内容によっては、ある程度まとめて処理したほうが効率が良いものもあります。
出張費や交際費などの経費精算
ある程度まとめて処理したほうが効率が良いものの代表例は、従業員が立替払いした経費関係の精算です。
繰り返しますが、本来は都度精算したほうが良いという意見もありますが、経理の立場・業務効率化の観点から見た場合ということが前提ですので念のため。
従業員が立替払いをする経費精算としては
・交通費や出張旅費
・交際費などの支出
・事務用品や小物類などの購入
などが考えられます。
多くの場合、従業員が受け取った領収書をもとに会社に請求し、従業員の口座に振り込まれるという次のような流れになります。
立替払い=>会社に請求=>個人の口座に振込
もしも、立替払いをするたびに、この処理を行っていたらどうなるでしょうか。
従業員が1人、2人ではなく、10人とかそれ以上だったらどうなるでしょうか。
精算のつど、従業員の口座へ振込手続きをしていたら効率が悪いことは明らかです。
振り込むタイミングを限定(週に1回、月に3回など)すれば少しは良くなります。
ただそれよりも、そもそも精算するタイミングを月1回にしてしまうという発想もアリではないかと考えています。
月1回よりも少ない回数は、正しい月次損益が見られなくなるので避けるべきですが。
小口現金は持たないのが理想!?
次に、小口現金です。
小口現金とは経理・出納の担当者が金庫の中などで管理している現金で、どうしても現金での支払い、精算が必要な場合に使用されるものです。
小口現金を従業員の立替払いへの支払いに使用しているのであれば、前述の通り、精算回数を見直す余地があります。
さらには、小口現金については、そもそも持たなくて済むのであれば、そのほうが良いとすら考えています。
・支払いのつど、担当者が金庫からお金を出して支払う。
・入金のつど、担当者が金庫にお金を保管する。
・現金を管理する金庫が必要。
・現金や金庫を管理するためのルールが必要。
・決算時には実査(数えること)が必要。
小口現金を持っているだけで、経理担当者には、これらのような業務負担が発生しているわけですから。
・小口現金が本当に必要なのかどうか。
・小口現金をなくしたとしたら、どのような問題が生じるか。
ということを真剣に検討してみても良いのではないでしょうか。
最後に
ただし、これらのことが当てはまるのは、小規模〜中規模程度の会社のイメージです。
1人の会社であれば、そもそも溜め込まずに処理、振込や現金の取り扱いも自分が都合の良いタイミングで行えばOKです。
逆に大規模な会社では、処理を溜め込むと月末に業務が集中しすぎて回らなくなるなど、かえって効率が悪くなってしまう危険性もありますので、そこだけは注意が必要です。
経理専任者がいないとか、経理専任者が忙しいなどの理由で業務を効率化する必要がある場合、このような視点からの業務効率化を一度検討してみてはいかがでしょうか。
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【編集後記】
自分の中でのヘアサロン問題に決着がつき、今のお店のオーナーさんにお願いすることにしました。担当者がかわってしまうリスクからようやく解放されました。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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