経理部門で感じる日常業務に潜む不正の危険性

経理部門で仕事をしていると、社内(特に営業系)から問い合わせや相談事がたくさん持ち込まれます。
基本的な伝票処理の方法からかなり頭を悩ませるような複雑な取引の処理方法に至るまで、その内容はいろいろです。

「それを実現するには不正するしかない」というような相談事もごく稀に・・・

なんとなくダメな気もするけど大丈夫?

営業担当者のなかには
「なんとなくダメな気もするけど、お客さんの要望だからこんな処理をしても大丈夫?」
と無邪気に聞いてくる人がいます。

処理したい方法の詳細は書けませんが、「普通に考えたらそれはダメでしょ?」というようなことです。
分かっていても、高額の仕事を受注できるかどうかとなると、営業マンとしては気持ちがグラつくということもあるのでしょう。

当然ですがこちらからの答えは「NO!」になるわけです。
「そうしたら失注することになる」と言われても仕方がありません。

もちろん税務上、会計上とも判断が分かれるようなグレーな内容であれば、状況次第では許容できるかもしれませんので、なんとか理論武装できないかを考えることもありますが、「黒」だとどうしようもありません。

少し知識がある人のほうが危険?

それでも上のように率直に相談してもらえると、まだ対応のしようがあります。
「100%お客さんの要望には沿えないけど、こんなことなら出来ますよ」などなど。

それよりもむしろ怖いのは、少し知識があって
「こんな取引形態にしてしまえば、経理部門、会計監査でもバレないのではないか?」
と考えてしまうような人です。

経理部門や会計監査にはどうしても限界があります。

受け手側から感じる会計監査の限界
会計監査の対象会社に勤務していますが、最近の不正会計をめぐる報道を見ながらいろいろなことを感じています。 会社と監査法人とのかかわり 監...

某企業のように、明らかにおかしい(あるいは不正)と分かっていてそれを指摘できない会社には当然問題があります。

一方で、そもそも不正(に近い)取引が埋もれてしまっているようなケースもそれなりにあるのではないか、と感じることもあります(勤務先で、ということではなく一般論として)。

経理関係の業務に携わる立場としては、
「会社全体の意識を高められるような啓蒙活動をする。」
だけでなく、
「なにかおかしい気がする。なにか違和感がある。」
と感じられるような感性を磨いていく必要があるのだと日々考えています。

言うは易し・・・ではありますが、意識すらしなければ何も変わらないということで。

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【編集後記】
この週末は異様な暖かさでしたね。
こんな日に限ってゴルフの予定は入っていないという・・・
なかなかうまくいかないものです。

【週末の1日1新】
自宅近くで1時間半のウォーキング

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