勘定科目のなかで、処理漏れや処理誤りが起こりやすいのが、前払金・仮払金・未払金です。
決算時だけでなく定期的に内訳を確認することを習慣にしておきたいところです。
誤処理が起こりやすい未払金
会社で消耗品を買ったり、経費がかかった場合、支払いが先の場合に計上するのが未払金です。
消耗品はすでに入手していたり、経費の対象となるサービスは受けているにもかかわらず、文字通り「未払い」という状態です。
仕訳だと次のようになります。
消耗品費 / 未払金 ・・・消耗品を買って手元に届いたけど、支払いはまだ(未払い)
水道光熱費 / 未払金・・・水道や電気は使用して請求書が来たけど支払いはまだ(未払い)
支払いが後日振り込みだったり、後日振り替えの場合には、一旦このような仕訳を計上し、実際の支払い時には、次の仕訳をきることになります。
未払金 / 現金預金
最初に計上した未払金について、現金預金で支払ったという仕訳です。
こんなシンプルな処理でも誤処理が発生してしまう可能性があります。
たとえば、請求書がきたときに
水道光熱費 / 未払金
と計上し、口座振替で現金が引き落とされたときに
水道光熱費 / 現金預金
と処理してしまうパターンです。
一見すると、「こんなの間違えるわけがない」と感じそうです。
ただ
・バタバタ忙しくて過去の処理を確認しなかった
・過去に未払金を計上していたことを忘れていた
・口座から引き落とされた明細が電気、ガスなど水道光熱費に関するものだった
などの条件が重なると、間違えてしまう可能性があります。
この場合、支払いはしっかりと済ませているので、支払先との間では問題は起こりません。
問題が起こるのは会社内の会計上の処理で、このパターンであれば
・水道光熱費は二重計上
・未払金が残ってしまっている
という問題が起こるわけです。
処理モレが起こりやすい前払金・仮払金
前払金や仮払金の場合、起こりやすいのは処理モレです。
前払金とは、サービスを受ける前にあらかじめ支払いをしなければ行けない場合に計上するものであり、仮払金とは、処理方法(勘定科目など)が確定しないにもかかわらず支払いを先行しなければいけない場合に計上するものです。
どちらも支払いは済んでいるので、相手先との間では問題は起こりません。
問題になるのは、本来は費用処理しなければいけないもの、資産計上しなければいけないものがそのまま「仮払金」とか「前払金」に残ってしまっている場合、ということになります。
単純に振り替える処理を忘れてしまった、ということもあるのではないかと思います。
定期的に残高の内訳チェックを
前払金、仮払金、未払金のような科目については、残高が残っていること自体は問題がありません。
ただし、いつまでも残高が残っていたりする場合には、
・処理が間違っているのでは?
・処理が漏れているのでは?
と疑ってみる必要があるかもしれません。
金額が大きい場合には目立ちやすいので、チェックしやすいと思いますが、金額が小さい場合には間違いを見つけるのが難しいこともあるでしょう。
その場合でも
・できる限り勘定科目の補助科目を設定して相手先別に残高管理する
・未払金計上時に摘要欄にコメントを付しておく
など、運用を工夫しながら、毎月、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、決算時だけでなく定期的に残高の内訳をチェックすることを習慣化しておくと良いのではないかと思います。
【編集後記】
引き続き、Excelやマクロについて、今まで(あえて?)見ないようにしてきたいろいろな機能を試しています。
将来の時間短縮のために、あえていま(投資として)時間を使う。
この感覚を常に忘れないようにしなければいけませんね。。。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
肉の匠 将泰庵
居酒屋 跳人
ブラン ハムエッグデニッシュ