2週間くらい前、読売ジャイアンツの松本哲也2軍コーチに取材した記事(スポーツ報知)を見かけました。
その記事では、「考える力」の重要性や、そのためには「脱過保護」が必要であることなどが書かれていて、ビジネスの世界、会社組織でも同じだなと感じました。
「考える力」をつけさせるためには「脱過保護」
記事によると、コーチになって今年が2年目になる松本コーチは
「僕が貫いているのは、まずやらせて、考えさせることですね」
というコメントの通り、若手外野手たちの守備向上のために、
「脱過保護」
に徹しているのだそうです。
最近のデータ野球(以前から?)では、打球がどのあたりに飛びそうかのデータがあり、それによってベンチからグランドの選手に守備位置の指示が出されるのが一般的です。
1軍の試合では顕著ですし、メジャーリーグはもっと徹底している印象です。
〇〇選手シフト、なんていうのがその典型的なものですね。
ただ、松本コーチは、選手を育てるべき2軍だからこそ、ではあると思いますが、
守備の時はベンチであえて細かい指示をださないようにしている
らしいのです。
・相手の打者や試合の状況を見て、選手が考えて守備位置を変えられるようにならなければならない。
・指示を出すのは簡単だが、それでは1軍で戦える守備力はつかない。
というのがその理由です。
「脱過保護」でも「放置」ではない
このように、自分で考えさせるために「脱過保護」に徹しているとはいえ、「放置」せずに選手としっかりと会話をするのが松本流、とのこと。
試合後には
あの選手の打席の時、なぜ守備位置を右寄りに変えたのか?
を聞いて、どのように選手が考えていたのかを確認しています。
選手が自分で考えていれば、聞かれてもすぐに答えられますが、「なんとなく」動いていたのであれば答えられないので、すぐに分かるということですね。
で、選手の考えを確認した後で、松本コーチの考え方(こうするべき、ああしないほうがいい)を伝えるのだそうです。
細かい指示は出さない=脱過保護
ただし
きちんとフォローする=放置しない
というバランスがうまく取れているのだろうと思います。
ファインプレーは自分で考えることから生まれる
さらにそこまでやるのか、と思ったのが次の記述でした。
ショートは(坂本)勇人。間に落ちそうなフライに関しては試合前から話してました。勇人が最終的には『僕は滑り込んで取りに行くから、マツさんは僕を飛び越えるようにして行って』って。そういう話をするから違いに信頼できるようになるんですよ。
お互いの守備位置の境目くらいに飛んできたボールをどちらが取るか。
よくエラーが起こるプレー、怪我をしかねないプレーですから、事前にしっかりと細かく打ち合わせをしているんですね。
「言われる」のではなく、自分たちで考えるからこそ、いざ本番でもその通りのプレーができるのでしょう。
受けた指示通りに守備位置を取って好プレーを見せても、成長はない。
とも書かれていますが、その考え方、信念が伝わってきますね。
会社組織にも当てはまる考え方
このような「脱過保護」、ただし「放置」するわけではない、という感覚は、そのまま会社組織でも必要になるものだと思います。
ついつい「過保護」というか、
・細かく口を出してしまったり
・細かい指示をしてしまったり
・やらせてみたものの、すべて自分の考えにひっくり返してしまう
なんていう場面を、いろいろと見てきました。
あるいは逆に、「任せる」という名の下の「放置」も。。
前述の松本コーチは2軍のコーチであり、対象は若手がメインですので、会社であれば、育てるべき若手社員が対象となるかもしれません。
さすがに、幹部社員や中堅以上の社員であれば、それくらいやってほしいよね!と感じることもあるでしょう。
ただし、
・これまでにやってこなかった
・「過保護=任せられずに手取り足取り」でやってきてしまった
のであれば、今からでもやってみる価値はあるのではないかと思います。
目の前で困っている若者がいれば手をさしのべたくなるが、手を出せば永遠にその手を待ち続けるだけになる。
これが松本コーチの言葉なのか、記事を書いた記者の方の言葉なのか分かりませんが、まさにこれなんだろうなと。
【編集後記】
名古屋駅から快速列車で30分程度、駅からタクシーで5分程のところでしたが、電車もタクシーも冷房が入っていませんでした。昨日はおそらく最高気温30度くらいはあったのではないかと。
暑さに慣れていると、この程度の暑さでは冷房が不要なのだろうか?なんて思ったりもしましたが、どうなのでしょう。。
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