経理関連業務について、今回は11月(3月決算法人で、事業年度開始から8ヶ月目)にやるべき仕事を確認してみます。
11月にやるべき経理業務:事業年度開始から8ヶ月目
11月(事業年度開始から8ヶ月目)にやるべき経理業務を確認してみます。
ルーティン業務
毎月のルーティン業務には変わりがありません。
・現金出納
・会計仕訳
・債権管理
・入金確認
・支払業務
・資金繰り確認
・源泉所得税納付
・各種の管理資料作成
といったあたりの業務です。
11月度の月次決算業務についても、あまり大きな留意事項はないのではないかと思います。
11月固有の業務
11月は年末が近づいてくるタイミングです。
ということで、若干前倒しで準備しておくと良い業務があります。
1つが年末年始に向けて資金繰りの状況を確認しておくということです。
日頃からこまめに確認していれば問題ないと思いますが、念のため再確認しておいたほうが安心できるかと。
また、直接の経理業務ではありませんが、給与計算に関連して、年末調整業務のための準備も始めておく必要がありますね。
あとは忘れてはならない11月固有の業務としては、税金関係の中間申告、中間納付が挙げられます。
中間申告と中間納付
通常の1年決算法人(事業年度が1年)の場合、事業年度開始から8ヶ月以内に、
・法人税
・住民税(法人都民税/法人県民税、法人市民税)
・事業税
の中間申告、中間納付が必要になります。
4月から事業年度が始まる会社の場合、この11月末が期限ということになります。
そして、中間納付する金額には、次の2種類の計算方法があります。
・予定納付方式
・仮決算方式
予定納付方式というのは、前年の確定納付税額の1/2を概算として納付する方式です。
例えば、前年の法人税が600だった場合、その1/2の300を納付するということになります。
仮決算方式というのは、上期6ヶ月間を1事業年度とみなして納付する税金を計算する方式です。
例えば、上期6ヶ月間の所得(税金計算上の利益)が1,000、税率が30%の場合には、
納付税額=1,000*30%=300
となり、この300を納付するということになります。
資金繰りが厳しい場合に、中間納付で検討してみること
前述の通り、中間納付には「予定納付方式」「仮決算方式」の2通りがありますが、このどちらの方式を選ぶかで中間納付額が変わってきます。
例えば、このようなケースです。
・前年の法人税は600
・今期の上期は業績が悪くて赤字(所得もマイナス)
「予定納付方式」だと、中間納付額は「600*1/2=300」となります。
一方の「仮決算方式」では、税金を課される所得がマイナスですから、中間納付額は「0」ということになるのです。
納付する税金の確定計算は、事業年度の最後に確定申告で行うものであり、この中間納付というのはあくまでも仮納付という位置付けです。
ですので、中間納付額がいくらであろうが、1年間で負担すべき税額が変わるわけではありません。
ただし、資金繰りの観点からすると大きな違いがあります。
「予定納付方式」ではこの11月に「300」を納付しなければならないところ、「仮決算方式」ならこの300を納付しなくても済むわけです。
もしも資金繰りが厳しくて、しかも上期の業績が悪い場合には、仮決算方式での中間申告を検討してみる価値はあるのではないかと思います。
【編集後記】
世の中がサッカーが盛り上がっているなか、プロ野球ではジャイアンツの成績が相変わらずパッとしませんね。
ふと気づくと早くもカープが独走態勢に入りつつありますので、ボチボチなんとか頑張ってほしいのですが。。。
【昨日の1日1新】
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