子会社を作るか?支店を作るか?両者の違いとは??

組織を大きくするときに、子会社を作るのと支店を作るのとでは、どのような違いがあるか。
そのポイントをざっくりと整理したいと思います。

子会社か?支店か??組織を大きくするパターン

事業を拡大したり、新規事業を開始したり、新しい場所に進出したり。

このようなことを考えた場合には

・別会社/子会社を作るか?
・支店を作るか?

を検討することになるでしょう。

一般的には

・既存の事業を他の場所にも展開する場合には支店
・新規事業を開始する場合には子会社
・海外の場合には子会社(現地法人)

というパターンが多いのではないかと思います。
もちろんこれにあてはまらいケース、考え方もあるとは思いますが。

そもそも子会社と支店は違います

大前提として、子会社と支店とは全くの別物です。

たまに両者をごちゃ混ぜにしているケースがあります。
たとえば親会社のことを「本社」「本店」などと呼んでみたり。。。

親会社の「本社」という意味であれば分かりますが、子会社を「支店」と見立てての「本社」という使い方をされているのを見聞きすると、ちょっと違うかなと(その気持ちは良く分かりますが)。

そもそも、親会社と子会社では組織そのものが別物です(会社名が違うことからも明らかなように)。

それに対して、本店と支店の場合、同一の組織の中のそれぞれの一部ということになります。

子会社方式と支店方式との大きな違いは?

では、子会社方式と支店方式とではどのような違いがあるか、ポイントだけを簡単に整理してみます。

子会社方式

子会社方式の大きなポイントは、前述のとおり、「別会社である」ということです。

会社規模が小さくなる

子会社を作る場合、親会社・子会社が別の会社になりますので、それぞれの会社の規模は支店方式と比べると小さくなります。

メリットの1つは、会社規模が小さいことで得られる税制面での優遇です。

資本金などの金額にもよりますが、低所得部分に法人税の軽減税率が使えたり、売上金額次第で消費税の納税義務が無かったり、等々、結果的に税金計算上、有利になる可能性があります。

もちろん、節税だけを目的とした組織の変更などはリスクがあるので、避けた方がよいのですが。。。

親会社とは別のルールを作ることができる

子会社を作る場合、親会社とは違うルールを作ることが可能になります。

例えば親会社の給与水準が高くなりすぎて、人件費を抑えたい場合、支店方式だと高い給与水準を維持しなければなりません。

このような場合、もしも子会社方式であれば、親会社と給与規定を変えることで給与水準を下げることも可能です。

規模が小さくても会社である

別のルールを作ることができるということは、逆に言えば、別のルールを作らなければならないということです。

いくら規模が小さかったとしても、「別会社」である以上、仕方ないことではあります。

会社として、組織運営に関する一式は必要になるわけです。

・会社設立
・各種登記
・各種届出
・組織運営
・管理業務
・決算、税務申告
などなど。

これらの業務は、「別会社」だから必要になるものであり、もしも「支店」だったら本社と一緒にやれば済むというものです。

このような「会社」ならではの組織運営上の手間やコストがかかる、というのが子会社方式のデメリットの1つと言えるでしょう。

支店方式

支店方式のメリット・デメリットは、子会社方式のデメリット・メリットの裏返しです。

あとは、本社<=>拠点間でのお金のやり取りや利益のやり取りに、それほど気を遣わなくても良くなるといったあたりもありますね。

国内子会社の場合、グループ法人税制の適用で課税関係は生じないケースが増えているとはいえ、管理や考え方が少し煩わしかったりもします(親子間での利益供与など)。

その点、支店方式なら、何をやろうが/何をやるまいが、1つの会社の中の話として終わりますので、運営しやすいのではないかなと。

海外に進出する場合

海外に進出する場合、現地法人(海外子会社)を作るケースが多いかと思います。

税法上の細かい規定はいろいろありますが、ざっくり言えば、日本よりも税率が低い国であれば、納税額が低く抑えられる可能性はあります。

海外子会社からの配当に係る税金(現地での源泉税など)なども考える必要があり、ケースバイケースですね。

あとは海外の現地の会社にしておかないと、現地でのビジネスが制約を受けてしまう可能性もありますので、そのあたりも考慮する必要があります。

なお、海外に子会社を設立する場合、親子間での利益の移転には注意が必要です。

移転価格税制や海外子会社への寄付金、という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。

一言で言えば、親子間での取引に関して、適当な価格設定や利益調整が認められないということです。

このあたりについては、サクッと簡単に書くことが難しい内容ですので、また改めて整理してみたいと考えています。

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【編集後記】

昨日は税務署から連絡があり、ある資料を送ってほしいとのことでした。
郵送でも良かったのですが、手間がかかるので、本来の届出とは異なる(けど関連する)申告書への添付にして送ってしまいました。
届出への書類添付など、もう少し運用しやすくなってくれるといいのですが。。。

【昨日の1日1新】

*「1日1新」とは→詳細はこちら

e-Taxでとある資料を送信
ジャパンでバーボン購入
弥生でいろいろな伝票辞書登録


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