ビジネスの現場では、専門家と呼ばれる方々によるいろいろなサービスを目にします。
なかには「そこまでいらないんじゃないの??」とか「過剰だなぁ」と感じるものを見かけることもしばしばあったりします。
専門家による「やり過ぎ」
会社のルールやマニュアルといった仕組みを作るとき、士業やコンサルタントなどの専門家のサポートを受けながら進めることはよくあることだと思います。
特に、初めて取り組むようなケースでは、どのようにすれば良いのか分からないことも多いので、うまく専門家を利用すれば良いのではないかと考えています。
ただ、たまに「それって、誰のため?」と感じるようなものを目にすることがあります。
一言でいえば「会社に合っていない」というものです。
例えば、社内で規程類を整備しようとする場合、数人〜数十人規模の組織と数百人規模の組織では、留意すべきことも異なるでしょう。
また人事評価システムなどを作る場合でも、会社の規模や業種によって合う合わないがありますので、他の会社のものをそのままパクってもうまくはまらないことが多いはずです。
そういうことが起こってしまうのは、専門家の自己満足なのかもしれませんし、単に手持ちのマニュアルを相手のことを考えずにそのまま使ってるだけなのかもしれません。
あるいは、せっかくお金をもらうからには、「それなりに見栄えを良くしなければ!」という意識や義務感から、ついついオーバースペックになってしまっている可能性もあります。
もしも、内部(社員)で見よう見まねで作成してみる場合であれば、加減が分からないために、ついついやり過ぎてしまうというのもやむを得ないでしょう。
ですが、専門家であれば、このあたりはうまくコントロールすべきなのではないかと考えています。
内容によっては「大は小を兼ねない!?」
「大は小を兼ねる」と言いますが、前述のような「会社における仕組み作り」に関しては、「大は小を兼ねない」と思います。
特に
・コンサルティングなどのサポートを受けて導入
・その後の運用は会社側に委ねられている
というものについては、「大は小を兼ねない」のではないかと。
少なくとも大企業向けの仕組みを小規模企業がそのまま取り入れることは避けるべきです。
実際に運用する会社側の負担が増えるだけで終わってしまう可能性もありますので。
例えば、数人規模の会社に、数十人〜100人規模くらいの組織で利用するような仕組みが導入されていると、ぱっと見の印象は素晴らしいでしょう。
しかし当然ながら、導入後にどのように運用していくかのほうがはるかに重要です。
もしも自社にとって過剰なものになっていた場合、その仕組みを維持するのに、余計な負担がかかってしまう可能性もあります。
「立派な仕組みならOK」と単純に考えるのではなく、時間もコストと意識して、しっかりと会社に見合ったものを構築していこうという意識が大切です。
そして、専門家としてサポートする立場であれば、会社が何を求めているかをしっかりと把握しつつ、きちんとゴールを想定してから取り組むべきなのではないかと考えています。
税理士として程良い立ち位置は?
税理士としての「やり過ぎ」の1つが、税金に関する問い合わせに対して、専門的に回答しようとし過ぎることではないかと感じたりしています。
・専門用語を羅列して説明すること。
・税法や国税庁ホームページ等の内容をそのまま説明すること(分かりやすく咀嚼しない)。
などなど。
根拠をしっかりと示したほうが良いタイプの方であれば、それなりの対応が必要です。
そうではなくて、単に「分かりやすい説明」が必要な方にとっては、細かな税法の規定などには興味もないでしょう。
そういうタイプの方に対しては、
知恵袋 < 税理士 < 国税庁HP
くらいの位置づけで、分かりやすく説明するのが良いのではないかと思ったりしています。
もちろん専門知識はしっかりないとだめですが、国税庁HPの内容をそのまま伝えても分かりにくいだけです。
イメージとしては、ネット上の掲示板よりは専門的に回答できるものの、国税庁HPよりは分かりやすいというあたりの位置づけでしょうか。
・専門家として使える知識はしっかりと持ちつつ、
・相手にとってどこまでの情報やサービスが必要なのかをしっかりと見極め、
・必要なものを必要な程度に提供する
ということも、大切なスキルの1つなのではないかと考えています。
【編集後記】
冬季オリンピックを見ていて感じるのが、金メダルを取ることを周囲からガッツリと期待されていながら、それに応えてしっかりと金メダルを取る選手の強さと凄さです。
もちろんそれだけのメンタルがあるからこそ、オリンピックにも行けるのですが、それでもオリンピックには勝てる人も勝てない人もいるわけですから。。。
厳しい世界ですね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
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