「質問すべきこと」と「自力で解決できること」を見極めるポイント

いろいろな会社の会計データをチェックしたり、会計処理について問い合わせを受けたりしていると、これらの業務を効率的にこなすには「質問すべきこと」と「自力で解決できること」を的確に見極めることが大切なポイントだなと改めて感じています。

「質問すべきこと」と「自力で解決できること」

経営者であれ経理担当者であれ、あるいはそれ以外の担当者でも、「経理処理をどうすれば良いか?」を悩むことがあると思います。

迷ったとき、悩んだときにどうするか?
・ググってみる。
・周囲の人に聞いてみる。
・経理担当者、経理に詳しい人に聞いてみる。
・顧問税理士に聞いてみる。
・自力で考えて出した結論で突き進む。
など、その場面に応じていろいろな対応が考えられます。

で、どのような対応を取ったとしても、間違いがあればあとから修正しなければならないなど、面倒くさいことにもなりかねません。

そんな面倒なこと、嫌な思いをすることを避けるためには、迷ったときや悩んだときに
・質問すべきこと
・自力で解決できること
を的確に見極めることが大切になります。

見極めるためのポイント

「質問すべきこと」と「自力で解決できること」とを見極めるためのポイントとは、どのようなものでしょうか。

どう処理すべきか分からないことがはっきりしていれば「質問すべき」と言えますが、実際には、「質問すべきかどうかが分からない」ということもあるでしょう。

質問される側から見ていると
・「質問しなくても大丈夫なのに」ということで質問される。
・「質問してくれたら良かったのに」ということで質問がなく、処理を間違えてしまう。
ということが起こりがちだったりもします。

1つはっきりしているのは、

質問すべきかどうかが分からなければ質問したほうがよい

ということです。

そもそも判断できないわけですから、質問しておいたほうが安全かなと。

また、自分では「自力で解決できる」と思っていたにもかかわらず、後から間違いが見つかって修正したりするケースもあるでしょう。

もしもそのようなことが何度かあったら、自分のなかの基準を見直して

「自力で解決できる」範囲を狭めて「質問すべき」範囲を広げる必要がある

のではないかと考えています。

決められたことを決められた通りに!でもそれだけでは?

質問して正しい処理方法が分かったら、「決められたことを決められた通りにやるだけ」なのですが、案外ここにも落とし穴があったりします。

仕訳でも、質問したときは正しい処理が出来ていても、その次に似たような取引があったときに、貸借や金額は合っていても消費税区分を間違えてしまっていたり。。。

このようなミスは単なるケアレスミスの場合もあれば、きちんと意味を理解していないことが原因だったりもします。

例えば、賞与を毎月未払計上しておいて、支払う場合を考えてみます。

1.未払計上時
(賞与)◯◯円 (未払費用)◯◯円
2.賞与支払時
(未払費用)◯◯円 (現金預金)◯◯円

このような仕訳になります。
この場合、事前に未払計上している(上記1.)からこそ、支払時には「上記2.」の仕訳でOKになるわけです。

もしも、きちんと意味を理解せずに賞与支払の仕訳は「未払費用 / 現金預金」とだけ丸暗記していた場合、どうなるでしょうか。

決算賞与など、未払計上していなかった賞与を支給するときにも「未払費用 / 現金預金」と処理してしまう可能性もあります。
(「賞与」という費用が計上されず「未払費用」という負債が減ってしまう)。

これはほんの一例ではありますが、「決められた通りにやっているつもりでできていなかった」ということは珍しいことではありません。

そのようなことを回避するためには「単に処理方法だけが分かればよい」と考えるのではなく、次回以降にも繋がるように「意味を理解する」ように心がけることが大切なのではないかと思っています。


【編集後記】

11月14日は埼玉県民の日でした。
社会人になると全く関係ないのですが。。。

【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら

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