利益が出ていても出ていなくても納付しなければならない消費税。
資金繰りでは、消費税のこともきちんと管理しておきましょう。
利益には関係ない消費税の納付
消費税は最終消費者が負担する税金です。
ですので、会社がモノを作ってお客さんに販売する場合、最終消費者はお客さんですから、お客さんが消費税を会社に支払います。
そして消費税を受け取った会社は、「受け取った消費税」から「自分が支払った消費税」を控除した金額を納付しなければなりません。
細かい計算は無視するとして、納付すべき消費税を計算するときに必要なのは
・受け取った(預かった)消費税
・自分が支払った消費税
という2つの項目しかありません。
計算式でみると
納付すべき消費税=受け取った消費税 - 支払った消費税
となります。
会計データ(勘定科目)としては、
未払消費税=仮受消費税 - 仮払消費税
という計算式で確認することが可能です。
当然ながらこの計算式のなかには、利益の要素は一切入ってきませんので、どれだけ赤字だとしても、預かっている分の消費税は納付しなければならないわけです。
納税額はある程度予測しておくことが有効
消費税の納付回数は、前年の消費税額によって異なります。
・中間1回+期末1回=合計2回(半年ごと)
・中間3回+期末1回=合計4回(3ヶ月ごと)
・中間11回+期末1回=合計12回(毎月)
中間納付の回数と金額は、前年の消費税額をベースとして計算されます。
そのため、事業年度が始まる段階では分かっていますので、資金繰りに織り込むことは難しくないでしょう。
また、期末の確定申告ですが、前年と事業の内容や規模が大幅に変わっていなければ、前年の実績などを参考にして、いくらくらいの納付が必要になるかを把握することができるでしょう。
逆に事業内容や規模が大きく変わっている場合には、
納付すべき消費税額(未払消費税)=仮受消費税 – 仮払消費税
という計算を毎月、3ヶ月に1度、半年に1度などの頻度で行うことで、納付すべき消費税額を概算で予測することが可能になります。
「納税資金が足りない」とならないように
前述したとおり、消費税は預かったものをそのまま納付するだけなので、理論上は納税資金がなくなることはないはずです。
ただ実際にはお金に色がついているわけでもありませんので、業績や資金繰りが厳しい状態であれば、預かった消費税が他への支払い等に使用されてしまうこともあるでしょう。
現在、消費税率は8%ですが、これが10%になったら、金額的インパクトもさらに大きくなります。
納付時期が近づいてきて「納税資金が足りない」ということにならないよう、納税資金用の口座を設けたり、せめて定期的に納税見込み額を把握しておく(顧問税理士に算出してもらう)ということくらいは、やっておいたほうが良いのではないか考えています。
【編集後記】
昨晩は、独立して同じ業界で仕事をすることになる某知人との会食でした。
やはり仲間が増えるというのは嬉しいですね。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
大和屋音次郎
プレミアムモーニングティ
税理士同期の事務所訪問、打ち合わせ