個人でも会社でも、世の中で生活していく、
そんなことは重々分かったうえで、
・一切の例外を認めず厳格にいくのが良いのか。
税理士会支部会議での1コマ
何かと話題のマイナンバーについて、
・個人事業者の固定資産税を申告した。
・申告書にはマイナンバーの記入欄があり、今回から記入する必要がある。
・ルールに則ってマイナンバーを記入した。
ところが、実務上、マイナンバーが空欄の申告書でも受領することとされており、
・これは一体どういうことなのか?
・記入してもしなくても変わらないということか?
・マイナンバーを記入して申告したのに本人確認もなかったがそれでいいのか?
というのが質問内容でした。
税理士という立場からすると、クライアントへの説明や税務署等への各種申告では、税法やその他のルールが基準になるわけですから、そこが曖昧な運用だと「それでいいの?」と言いたくなる気持ちはよく分かります。
一方で、税務署(県や市の税務部門を含む)の立場からすると、運用面である程度逃げられる余地を残しておかないと、申告書を受領できないなど、実務面で大きな混乱が生じる危険性が高くなります。
本来のあるべき論(厳格派=質問者)としては、
・きちんとマイナンバーを記入すべき。
・記入がもれていれば受領してはいけない。
ということになるでしょう。
しかし現実的に実務面を考慮すると(税務署側)、簡単に割り切れる問題でもなさそうです。
会計の世界では「重要性」の基準が便利?
会計の世界はもう少しだけ簡単かもしれません。
財務諸表を作成する場合、会計原則やさまざまな会計基準に従わなければなりません。
ただし財務諸表利用者の判断を誤らせる恐れがない程度の小さな金額については、「重要性が低い」という判断で、例えば会計基準と異なる処理があったとしても許容されるケースもあります。
処理に誤りが見つかった場合、あるべき論としては当然「修正すべき」となりますが、「重要性」の観点から「修正しない」というのはよくある話しです。
結果として、重要性の基準も踏まえて柔軟に運用することで、うまく落とし所を見つけられているのではないでしょうか。
自分なりの基準が持てれば迷わない?
ルールに厳格にいくべきか柔軟にいくべきか、については、どちらも正解でありどちらも誤りであると言えそうです。
そんななかでこれだけは避けたいと考えているのは、
「明確な基準をもたず、雰囲気や気分次第で判断がぶれること。」
で、他人からも理解してもらえなくなるのではないでしょうか。
なんとなく理想と考えているのは
*自分のこと=基本的に厳格でありたい。ただし誰にも迷惑をかけないこと、だれも困らないことであれば運用面で多少は柔軟に対応してもOK。
*他人のこと=柔軟性を許容したい。ただしいろいろな観点から言わなければならないことについては、きちんと伝えべきことを伝える。
といったところです。
いずれにしても、他人に対して自分の価値観(厳格であれ柔軟であれ)を押し付けてしまうと双方にストレスがたまるので、何となくゆるい感じがちょうど良いのかなと思っています。
【編集後記】
昨日は税理士会の支部研修を受講しました。
内容は、確定申告時期の無料相談に関する留意点等について。
厚さ1cm程度の資料を計3冊受け取りましたが、この差し迫った時期に渡されても少し厳しい感じです。。。