決算が近づいてきて、思ったよりも利益が出そうな場合、多くの経営者が「何とか節税できないか?」と考えると思います。
しかし実際には、気づいたときには期末まで時間がないとか、お金は使いたくない、ということで、良い方法が見つからないというケースも多いのではないでしょうか。
節税に対する考え方
書店に行くと、節税本がかなり多く販売されています。
ぱらぱら見比べてみると、どれも大きな差は無い印象ですが、
・利用できれば会社にとってメリットがある節税
・税金は減らせても会社にとってはマイナスになる可能性が高い節税
が混在している本が多く、使い方を間違えると大変だと感じています。
「せっかく稼いだ利益だから税金で取られたくない」という気持ちは良く理解できます。
しかし、会社の継続・発展を長い目で見た場合、余計なお金を使うくらいなら、しっかりと税金を払ったうえでお金を残すということが大切です。
多くの会社にとっては、「会社にどれだけお金(キャッシュ)があるかが重要」と考えれば分かりやすいです(余ったお金は投資すべき、などの論点はとりあえず考慮せず)。
それらのことを踏まえたうえで
「会社として対応可能な範囲内、税法上許されている範囲内、での節税策を検討する。」
というのが一番望ましい姿ではないでしょうか。
節税パターン
いろいろなところでよく言われていることですが、節税には次のようなパターンがあります。
1.お金を使わずに利益を減らして節税(永久的に)
・・・固定資産や棚卸資産(在庫)の廃棄、有価証券やゴルフ会員権の売却など
2.お金を使わずに費用を前倒し計上して節税(将来は課税される、単なる先送り)
・・・未払いの費用を計上(固定資産税、社会保険料等)など
3.お金を使って利益を減らして節税(永久的に)
・・・消耗品購入、決算賞与、少額固定資産の購入など
4.お金を使って費用を前倒し計上して節税(将来は課税される、単なる先送り)
・・・生命保険など
「余計なお金を払わない」ことを最優先で考えると、効果が大きいのは、1から4の順番になるでしょう。
ちなみに、一般的によく言われている「税金を減らすために、いろいろなものを購入して利益を減らしてしまおう」というのは、上記3のパターンです。
お金も時間もかけずに節税するためにまず確認すること
前述のとおり、「お金を残す」ことと「節税」の両立を考えた場合、まず最初に検討するのは
「お金を使わずに利益を減らして節税」することです。
これは、お金を使わないことに加えて、会社が決断すれば実行できるものも多いので、期末が近づいてからの時間がないタイミングでも比較的対応しやすいものでもあります。
まずは
・使用していない固定資産がないか。===>あれば廃棄を検討
・販売することができない在庫がないか。===>あれば廃棄を検討
・有価証券やゴルフ会員権で、なんとなく手放さずに持ち続けているものがないか。
===>あれば売却を検討
といったあたりを確認してみると良いのではないでしょうか。
お金を使う節税の全てが悪いとは思いませんが、検討する順序としては後回しでも良いのではないかと考えています。
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【編集後記】
WBCは惜しくもアメリカに敗れてしまいました。
負ける試合というのは、あんな感じなのでしょうね。
まあでも十分楽しませてもらいました。選手のみなさんお疲れさまでした。
【昨日の1日1新】
*「1日1新」とは→詳細はこちら
初めて行く自宅近くの内科医院
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